改選4議席に12人が出馬した参院選神奈川選挙区の終盤情勢について、神奈川新聞社は3日から5日までの3日間、県内有権者への電話世論調査を実施、調査データに取材を加味して総合的に分析した。その結果、自民党の三原じゅん子氏が各層に幅広く支持を広げて優勢、公明党の三浦信祐氏も堅調な戦いを進めている。当選圏入りを目指し、民進党の真山勇一、金子洋一両氏、共産党の浅賀由香氏、無所属の中西健治氏が横一線で競り合う混戦となっている。
ただ、調査段階で4割強の有権者が態度を決めておらず、10日の投開票日に向けて情勢が変わる可能性がある。
三原氏は自民党支持層の5割を固め、支持政党なし層(無党派層)にも浸透。元女優の知名度や自民への高い支持率を背景に、県内全域で性別、年代を問わず幅広く支持を集め、序盤からの勢いを持続している。
三浦氏は公明党支持層の約9割をまとめた。女性の支持が比較的厚い。足元の票固めは進んだ半面、推薦を受けた自民支持層への浸透は現時点で進んでいない。
「2人擁立」に踏み切った民進党は、同党支持層を真山氏が3割、金子氏が2割強で分け合っている。真山氏は出馬表明が遅かったが、元ニュースキャスターとしての知名度を生かし、序盤から無党派層に浸透して挽回。60代からの支持が厚いほか、社民党支持層にも食い込んでいる。
金子氏は足元の支持層を十分固め切れていないが、保守層の一部にも浸透。序盤戦に比べ、無党派層への支持拡大も見込める状況になっている。
浅賀氏は共産党支持層の約8割を固めた。推薦を受けた生活の党支持層を取り込むが、無党派層への浸透は現時点では進んでいない。
中西氏はおおさか維新の会支持層の一部に食い込んでいる半面、推薦を受けた自民支持層の取り込みは約1割にとどまる。無党派層の支持も伸び悩んでいる。
おおさか維新の丹羽大氏、社民の森英夫氏、日本のこころを大切にする党の清水太一氏らも支持拡大に努めている。