
川崎市はヘイトスピーチ(差別扇動表現)の解消に向け、2月6日から約1カ月間、JR南武線の車内で啓発動画を流すと発表した。市内初の試みで、動画を作成した法務省人権擁護局は「電車内で流す例はほかでも聞かない」としている。
動画は15秒間で25分に1度の頻度で流す。「特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動」として、ヘイトスピーチデモを行ったり、その様子を写した動画をインターネットで公開することを例示し「人としての尊厳を傷つけたり差別意識を生じさせる」と呼び掛ける。人権被害の相談先の電話番号を紹介する。
また、ネット上の対策として、2月10日から交流サイトのフェイスブックを活用した情報発信を始める。市人権・男女共同参画室が専用アカウントをつくり、ヘイトスピーチに関する啓発や多文化共生施策、人権イベントの広報などを行う。
同室は「さまざまな人が乗車する電車は宣伝効果が高い。SNSの利用層にも情報を広めていけたら」としている。