横須賀市は9月をめどに、同市長坂に小型無人機「ドローン」の飛行実験フィールドを開設する。市内企業に無償で提供し、新産業創出に向けた研究開発を促す考えだ。8日開会の市議会定例会に、関連経費約555万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出する。
市は民間から借り受ける山林約5千平方メートルを除草し、ドローンの離着陸環境を整える。フィールドを無償提供するほか、操作研修なども実施予定。来年3月末までに10社程度の利用を見込む。国の地方創生応援税制「企業版ふるさと納税」の対象事業として内閣府に申請する。
市内には、横須賀リサーチパーク(YRP、同市光の丘)内で無線通信を研究する「情報通信研究機構」のほか、ドローンを利用したビジネスを模索する事業者も複数あるという。近隣に飛行実験を行う場所がなく、研究の支障になっていた。
ドローンを巡っては、操作ミスによる墜落事故が相次いだことを受けて、2015年12月に改正航空法が施行された。人家が密集する地域や150メートル以上の上空、夜間や人が集まるイベントなどに飛行させる場合、国の許可や承認が必要となっている。