乾杯は大井町産の地酒で-。そんな習慣の定着を図る条例案が、8日開会の同町議会6月定例会に提出される。蔵元が複数(2社)あることを踏まえ、町議有志が議員提案する。消費拡大を後押しして伝統産業を守り、活性化につなげる狙いがある。
県酒造組合によると、蔵元は相模原、厚木、秦野の各市や松田、山北両町などに計13あるが、同様の条例は例がないという。
条例案の提出者は鈴木武夫氏(無所属)。同町議会は定数14で、ほかに11人が賛同した。鈴木氏は「伝統産業を残し、地域を元気にするために、ビールから日本酒に少しでも回帰してもらえれば」と話している。
全5条で構成される条例案では、町や事業者、町民の役割を規定。町や事業者は地酒による乾杯の普及に取り組むよう努め、町民にも協力を求めている。
一方で「地酒に対する個人の嗜好(しこう)および意思を尊重する」と明記し、強制ではないことを強調。健康に配慮し、飲酒運転などを助長しないよう、関係法令を順守することも明示した。11月1日の施行を目指している。