藤沢市民病院(同市藤沢)医師らの時間外手当をめぐり、藤沢労働基準監督署が未払い分を支給するよう是正勧告を出していた問題で、市は30日、職員421人に計約1億3千万円を支給すると発表した。関係経費を計上した同病院事業会計補正予算案を6月市議会に提出する。
同病院によると、未払いがあったのは医師116人と看護師305人。2015年11月の勧告に基づき、同病院が13年11月から15年11月までの全職員の時間外勤務状況を調査して判明した。未払いが352万円余りに上った医師もいた。
同病院では時間外勤務をする場合、職員が事前に自己申告して上司の許可を受けている。しかし、実際の勤務時間が申告以上に及ぶケースもあり、その際はサービス残業化していた。
同労基署の昨年の調査で、電子カルテの記入時刻と退庁時間の食い違いなどから問題が発覚。職員アンケートでは「正しい時刻を申告しにくい環境だった」との声も寄せられており、同病院は「職場環境の改善にも取り組みたい」としている。