三浦市は2016年度、三崎漁港を核とした地域活性化事業を進める。国の交付金を活用し、05年度に認定された「みうら・みさき海の駅」の機能充実や、水産物の海外展開のきっかけづくりに本腰を入れる。2日開かれた市議会3月定例会本会議で、事業内容を具体的に明らかにした。
市は15年度3月補正予算案に、海の駅関連事業費として4500万円、海外戦略関連事業費として2000万円をそれぞれ計上。16年度に繰り越し、事業を実施する。具体的な事業内容について、市議会定例会の一般質問で藤田昇氏(公明)の質問に答えた。
海の駅では三崎港の複合施設「うらり」の2階、多目的イベントスペースに「うらりマルシェ(市場)」を新設する。年内のオープンを予定し、PRイベントも展開していく。
棚などを整備し、地場産の農産物や畜産物、花などを直売。隣接の交流広場と2階のウッドデッキとの間に外階段も設け、動線を増やす。
うらりには現在、1階に水産物中心の直売所があるが、市は「近隣の駐車場を含め、『道の駅』をイメージしている」として、海上からも陸上からも利用できる来訪者の拠点として整備する考えだ。
海外戦略では、三崎漁港の輸出促進基本戦略を策定する。基本戦略や輸出促進対象国・地域、対象品目、目標のほか、展開すべき施策や推進体制を盛り込む。この基本戦略に基づいて、輸出の試行や現地試食会などのパイロット事業を実施し、海外市場での三崎ブランドの浸透を図る。
市によると、特定第3種漁港の三崎漁港は、15年の市場取扱金額が200億円余りと、最盛期の3分の1まで減少。現在、高度衛生管理化のための施設整備を進める中で、市は「グローバル市場の開拓を促進し、攻めの水産業を展開することが必要」としている。