
「遅くなりました!」。午後7時前、JR東神奈川駅近くの放課後児童クラブ「西神奈川学童ハッピースマイル」に、仕事帰りの母親らが次々とやって来た。5年生の息子がいる母親(46)は「7時まで受け入れてくれるから安心して働ける。本当に助かる」
2013年に保育所の待機児童ゼロを達成し、年々入所児童数が増えている横浜市。小学校の放課後対策は喫緊の課題だ。
市の事業は、学校を活用した「はまっ子ふれあいスクール」と「放課後キッズクラブ」に加え、ハッピースマイルのように保護者らが補助を受けて自主的に運営している放課後児童クラブ(学童保育)の3種類がある。
市は留守家庭の児童急増を見込んで事業計画を策定。19年度までに、はまっ子をキッズへ全校移行し、キッズ定員枠を13年度比約2・5倍の1万4千人に。学童は1万人を維持し、計2万4千人分の留守家庭児童の受け皿を確保する。
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学童は222カ所(昨年6月現在)。だが市が昨年4月に施行した条例の施設の面積基準には約6割の134カ所が不適合。5年以内の分割や移転が必要だが、15年度中に分割したのはわずか8カ所だった。
原因は学童側の金銭的な負担増だ。アパート一室で運営しているハッピースマイルは登録数57人。一方、基準定員は36人。広い敷地に移転するには市の補助金(20万円)を使っても月10万円以上は支出が膨らむ。保育料は1人月1万5千円。保護者の一人は「保護者の負担を考えると増額できない。今のままでは受け入れ枠を減らすしかない」と市に支援を求める。