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海老名市下水道徴収漏れ 組織全体の改革指摘

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2016年2月4日(木) 02:00

職員の処分と遡及請求不能額の補填を発表した内野市長(中央)=1月29日、海老名市役所
職員の処分と遡及請求不能額の補填を発表した内野市長(中央)=1月29日、海老名市役所

 海老名市の下水道使用料の徴収漏れ問題で、市監査委員と市の内部調査による両報告書がこのほど明らかになった。記録が残る過去10年間で約4千万円を超える徴収漏れがあり、そのうち5年間の時効でさかのぼって請求できない額は約2千万円に上った。担当者の事務処理の遅延や管理職の危機意識の欠如などの原因が挙げられたほか、「接続率の向上を第一の目標として、現況調査によるフォローアップの体制構築はなおざりにされてきた」など、下水道事業特有の問題点も浮かび上がった。
 
市監査委員・内部調査 報告書
 市は、昨年6月に下水道課で発覚した事務処理ミスを受け、緊急調査チームを設置して全容解明に着手。同時に市長から異例の要求監査も行われ、作業は並行して進められた。

 両報告書は昨年12月にまとまった。この10年間で申請受理の失念などで下水道使用料の徴収漏れは71件計約163万円(うち時効分約1万円)発生。減水処理の手続きミスは2事業所計約3336万円(同約1950万円)、無断接続(一部調査中)などで166件計約693万円(同約86万円)。

 このほか、宅地化などによって受益者負担金の猶予条件が既に消滅、約3364万円が徴収可能であることも判明した。

 内部調査では、さまざまな問題が続いた背景を「事務の効率化で職員削減が進み、目の前の業務に追われ、現況を確認する余裕が持てない」と分析。再発防止策として、研修などを通じた管理職の意識改革、マニュアル作成などチェックシステムの構築、関係部署との連携強化や情報の共有化などを列挙した。

 一方、監査報告は職員個人の過失よりも、指揮命令系統など組織全体の問題を指摘する内容が目立った。ただ、多額の徴収漏れが起きた減水処理のミスでは、遡及(そきゅう)請求を1年間放置したケースを「重大な過失」と認定した。

 最後に「教訓として『人的ミスは発生する可能性がある』との認識に立ち、リスクを予見、どう回避できるか、ミスの影響を最小限にとどめるかの視点が不可欠」などとして、市民の信頼を回復させる再発防止には適正な人員確保など実効性を求めた。

 
 

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