小田原と南足柄の両市は2日、共同会見を開き、合併や中核市移行の是非などを検討する任意の協議会を10月に設置すると発表した。人口減少や少子高齢化が加速する県西地域で、安定的な行政サービスを継続して提供できる体制を構築することなどが目的。市民らの判断材料にもなるよう、2市で合併した場合の新市の基本計画案なども策定したい考えだ。
協議会の名称は、「(仮称)県西地域の中心市のあり方に関する2市協議会」。協議会は両市の担当職員や市議、各種団体の代表ら市民、学識経験者ら30人程度で構成。設置期間は約1年間とした。
協議会では、(1)行財政基盤強化策としての合併(2)権能強化策としての大都市制度の活用(3)中心市と周辺自治体との新たな広域連携体制の構築-について検討する。(1)と(2)は、中心市強化の方策として合併と中核市移行の是非を検討する。
小田原市企画政策課によると、(1)では、合併した場合の新市の理念や目標、行財政運営の方針、名称などを定めた基本計画案を策定したい考えだ。(2)は、小田原市が移行の検討を進めてきた中核市について、両市での移行を目指すべきかを協議する。(3)は合併や中核市移行をした場合も含め、周辺の8町と新たにどのような連携体制が構築できるかを検討する。
市民に対しては、それぞれの広報媒体を通じて情報を提供するほか、両市で啓発イベントを共催することも考えていくという。
加藤憲一小田原市長は「合併のみが唯一の有効な選択肢と決め付けるものではないが、両市を一体的に捉えた場合のスケールメリットに期待しつつ、今後の基礎自治体としてのあり方を市民とも議論を深めたい」と主張。加藤修平南足柄市長は「合併ありきではない」と強調した上で、「圏域の総合力を発揮するため、これまで以上に県西地域内の連携を強めるとともに圏域を強化する必要があり、そのけん引役となる中心市のあり方を検討したい」と説明した。