山梨、静岡、神奈川の3県知事が広域的な行政課題の解決に向けた連携策を話し合う「山静神サミット」が19日、箱根町内のホテルで開かれた。2020年の東京五輪開催を見据え、3県を貫く国道138号に着目した観光誘客などで連携することを決めた。
国道138号は小田原市を起点に静岡県御殿場市を経由、山梨県富士吉田市に至る道路。沿線には箱根や富士山、山中湖、河口湖などの観光資源があり、2月には新東名高速道路の愛知県の豊田東ジャンクション(JCT)から静岡県の浜松いなさJCTが開通し、中京圏からの誘客も期待できるという。
サミットでは3県が連携して誘客策に取り組むことで合意した。国への渋滞解消の要望やPRマップの作成、旅行会社対象の現地視察ツアーの実施、愛知県方面での観光PRを行う。神奈川県が進める「未病を治す」取り組みなど、箱根、伊豆、富士地域を中心に健康をテーマにしたツーリズムの普及に取り組むことでも合意した。
終了後の会見で黒岩祐治知事は「各地域の自然環境といった資源を活用しながら健康寿命を伸ばし、観光戦略にも組み込むという共通認識を確認できた」。静岡県の川勝平太知事は「富士、箱根、伊豆地域で健康になるというツーリズムを五輪に向けて発信していきたい」と話した。サミットは年1回開催。山梨県の後藤斎知事は、道路通行止めや渋滞の影響で欠席した。