来夏の参院選に向け、共産党と民主党が相次いで県内に党首を投入した。野党間では選挙協力が模索されているが、改選が1増の4議席となる神奈川選挙区は両党とも党勢拡大に向けた必勝区と位置付ける。共産党が野党に提唱した「国民連合政府」構想は脇に置き、早くもつばぜり合いを演じた形となった。
「共闘が実現すれば、野党支援の動きは画期的に広がる。勝つために必要なことは何でもする」
共産党の志位和夫委員長は1日夕、JR桜木町駅前で演説し、参院選で全国32ある改選1人区での野党連携を強調。安全保障関連法の廃止を目指して国民連合政府の意義も力説してみせた。
だが全国遊説の出発点に選んだ神奈川では、候補に擁立する浅賀由香氏(35)の当選が最重要課題だ。党幹部は、畑野君枝氏(衆院比例南関東)が参院選で初当選した「1998年を再演したい」。10月の宮城県議選で議席を改選前から倍増させた追い風に、議席回復をうかがう。
4日の桜木町駅前。「野党が力を合わせ(政権の)暴走を止める。重要な参院選だ」。民主党の岡田克也代表が声を張り上げた。
「1人区で勝たなければ参議院の与野党逆転は夢物語」(長妻昭代表代行)として、候補者調整に理解を示す声はある。ただ、同党県連幹部は共産党との協力をめぐり「支持者の反発は極めて強い。日に日に強まっている」と明かす。
神奈川では県連代表を務める金子洋一氏(53)が改選を迎える。過去に2人当選させたこともある神奈川での積極擁立に岡田氏は「現実も見なければならない。野党の共倒れは避けないと」と否定的。金子氏の再選に注力する構えとなりそうだ。
来夏の改選では自民党の三原じゅん子氏(51)が党に公認を申請。公明党は三浦信祐氏(40)を公認している。元みんなの党で無所属の中西健治氏(51)も意欲を示しているほか、維新の党や社民党も擁立を模索している。