葉山町の職員給与をめぐり、15年以上にわたって400万円を超す手当の過払いがあったことが8日、分かった。大半は返還されたものの、約33万円は返還請求権の時効で未納となっていることも判明。町議会は同日、全容解明に向けて地方自治法98条に基づく検査特別委員会を設置した。
町によると、1998年から2015年までの間、職員4人に対し扶養手当など計436万4854円が多く支払われた。4人は、遅くとも今年5月までに計402万9062円を返納したが、このうち1人の08年7月以前の過払い金33万5792円は時効が成立。また、4人のうち2人の時効などに関する書類がない点も町議などから問題視されているという。
9月中旬の町議会決算特別委員会で町が報告して事案が発覚した。山梨崇仁町長は当初、返納は済んでおり町民に迷惑は掛けないとの認識を示していたが、その後に時効分の存在が判明。同25日の決算特別委では「すみやかに事実を調査し、厳正に対処する」(山梨町長)としていた。
この問題をめぐり、町議会は8日の本会議で98条委の設置を可決。飯山直樹(葉山維新の党)、土佐洋子(みんなの葉山)、山田由美(新風はやま)、石岡実成(ソカロ葉山)の4氏を除く賛成多数で決まった。
名称は「職員給与の過支給に関する検査特別委員会」で、伊東圭介氏(尚政会)を委員長、横山すみ子氏(新葉クラブ)を副委員長に選出。近藤昇一議長もオブザーバーとして参加する。
神奈川新聞社の取材に対し、伊東氏は「時効により欠損が出ているのが一番の問題。議員の調査権を使って調べる必要がある」と話した。審査は原則公開で、次回は9日に開かれる予定。