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「安保国会」振り返る 自民・小此木と民主・笠の両氏に聞く

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2015年10月4日(日) 12:33

笠浩史・民主党国対筆頭副委員長(左)小此木八郎・自民党国対委員長代理(右)
笠浩史・民主党国対筆頭副委員長(左)小此木八郎・自民党国対委員長代理(右)

 安全保障関連法をめぐり、与野党が激しい攻防を繰り広げ「安保国会」の様相を呈した第189通常国会。245日間にわたった国会運営の最前線に立った自民党の小此木八郎・党国対委員長代理(衆院3区)、民主党の笠浩史・党国対筆頭副委員長(9区)に成果や課題を聞いた。


法整備は与党の責任 自民党国対委員長代理・小此木八郎氏

 -通常国会では戦後最長95日間の会期延長を行い、安保関連法を成立させた。

 「与党として、この国会で成立させることを確認して臨んだ。衆参とも委員会採決は国民から見れば尋常でなかったと思うが、いつ起きるか分からない有事に備え、国民を守るための法整備は政府与党の責任だ。抑止力を高め、戦争を起こさせない法律であることを説明していくし、すでにそう理解してもらっている国民も多くいる」

 -衆院で再可決・成立させる「60日ルール」の適用は念頭にあったか。

 「憲法に規定された手段であり、参院で結論が出ないと判断したときは『使うべき』と進言した。しかし、参院で熟議して結論を出すことが大前提で、ルールを用いることには抑制的であるべき。参院で結論を出せてよかった」

 -政府提出法案の成立率は88%で、昨年の通常国会(97・5%)より低かった。

 「終盤は安保法制審議で野党との対決色が強くなったことが影響した。ただ、農協改革やマイナンバーの利用範囲拡大など、政府が進める成長戦略や規制改革に欠かせない法整備は着実に進んだと考えている」

 -衆参で多数を握る中、少数の野党の主張にどう向き合っていくか。

 「常に野党と一致点を見いだせないか、政策責任者らと連携しながら交渉に努めている。結果的に、法案の中身は譲れなくとも、野党の質疑時間を増やしたり、修正に耳を傾けたりする謙虚さが大切だ」


野党協力の枠組みを 民主党国対筆頭副委員長・笠浩史氏

 -安保関連法成立までの与党の国会運営をどう評価するか。

 「法成立後の世論調査でも、多くの国民が『審議不十分』と感じている。数の力を背景に、特別委員会での採決が強行されたことは極めて遺憾だ。戦後の安保政策を大転換する重要法案で、国会で与野党の幅広い合意形成を図り、国民の理解を得る姿勢が与党には欠けていたと思う」

 「憲法の枠内で法律をつくる姿勢が何より重要だ。集団的自衛権の行使を一部認めることが必要だと言うなら、与党は堂々と、憲法改正の手続きにのっとり、最終的に国民の意思で決定するプロセスを経るべきだった。厳しく運用面をチェックしていくが、法律自体を見直すには国政選挙で勝利し、1強多弱の状況を解消しなくてはならない」

 -衆参とも少数の野党の非力さも問われた。

 「与党が採決時期を決めれば、野党としてなかなか対抗手段を持ち得ないのが実情だ。一方で、国会対策では野党間の足並みをそろえるために労力を費やすことも多かった。次の国会に向け、特に民主党と維新の党が絆を強め、同じ目的を持って、国会対応できる枠組みづくりが大切だ」

 -党首討論を月1回開催するなど、与野党で合意した国会改革の形骸化が指摘される。

 「与野党の立場が変わっても、合意事項は守っていかないといけない。時間的な制約も含め、今の党首討論のスタイルでいいのか問題意識を持っている」


第189通常国会で成立した主な法律

安全保障関連法;集団的自衛権の行使を限定容認

改正農協法;JA全中の権限縮小

改正マイナンバー法;マイナンバーの利用範囲拡大 

改正労働者派遣法;派遣社員の受け入れ期間を事実上撤廃

女性活躍推進法;女性登用の数値目標を義務付け

 
 

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