横浜市会の政策・総務・財政委員会は15日、参院で審議の続く安全保障関連法案の廃案を国に求める意見書の請願2件と陳情1件をいずれも反対多数で不採択とした。採択は委員長を除く10人で、民主党(2人)、共産党(1人)の3人が3件とも賛成、維新の党・ヨコハマ会(1人)が1件について賛成したが、自民党(4人)、公明党(2人)は3件とも反対した。本会議でも不採択となる見込み。
民主党の花上喜代志氏は「国会の審議で安倍首相自ら『法案に支持が広がっていないのは事実だ』と認めている。国民の支持が得られていない段階で法案を強行採決するのはあり得ない。民意を大事にしなければならない。立憲主義にも反している。民主主義の危機に通じる」と述べた。
共産党の荒木由美子氏は「多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、そして最高裁の元長官が違憲と言っている。全国の地方議会でも慎重審議や廃案を求める意見書が多数出ている。市会としても意見書を出すことが政権の暴走を止める大きな足掛かりになると思う」と主張した。
維新の党の伊藤大貴氏は「日本周辺をめぐる緊迫した状況があるが、国民の生命と財産を守ることは個別的自衛権の中で対応していくべきだ。政権が積み上げてきた憲法解釈も守るべきで、党として対案を今国会に提出している。請願の趣旨に賛成できるが、『戦争法案』とまで言っていいか。二つの意見書はそういう表現がある」とした。
自民党の山本尚志氏は「戦争法案と表現する人がいるが、戦争を起こさないため、これまでなかったより厳密なルールを作ろうとしている。規範がなければ、万が一、有事の際に正しい判断や行動が取れず、国民を守ることもできない。戦争から日本を守るための法制と思っている」と採択に反対した。
公明党の和田卓生氏は「国民も各政党も戦争には反対だ。ただ、世論調査などを見ると日本の周辺の状況、国際社会の変化を見て、過半数の方々がわが国の安全保障、防衛のため、国際社会の安定のためには法整備が必要であるという結果も出ており、廃案、策定の中止を求める意見書には賛同しがたい」と述べた。