臨海部の新たなにぎわい拠点として注目される横浜市中区の山下ふ頭(約47ヘクタール)の再開発について、同市は14日、「ハーバーリゾートの形成」を将来の都市像に据えた開発基本計画を策定した。国内外から多くの人を呼び込む大規模集客施設を設けるほか、上質な滞在空間をふ頭の先端部分に配置している。
市は今後、山下公園に隣接する約13ヘクタールのエリアを先行して開発を進め、東京五輪が開かれる2020年の一部供用開始を目指す。ふ頭全体の供用は25年以降としている。
有識者らによる検討委員会が7月に市に答申を踏まえた基本計画では、都市像として「ハーバーリゾートの形成」を掲げ、観光・MICE(国際会議や展示場の総称)を中心とした魅力的なにぎわいの創出など三つの視点、地区内外の移動を支える交通ネットワークの形成といった八つの基本計画方針を盛り込んだ。
ふ頭内は、交通ターミナル、客船ゾーン、リゾートを体験するウオーターフロントゾーン、文化・芸術、エンターテインメント、宿泊による滞在ゾーンなどに区域分けされた。
同計画では、ふ頭での開発が取りざたされているカジノを含む統合型リゾート(IR)について直接の記述はなかった。IRの導入などについて検討するとしている中期4か年計画、都心臨海部再生マスタープランに触れ、「関連計画との整合を踏まえて進める」とだけ記している。