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政界の断面
野党再編・風雲急 維新「分裂不可避」

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2015年9月7日(月) 11:06

 国会の会期末が迫る中、野党の動きが風雲急を告げている。維新の党は内紛で分裂が不可避の情勢。離党した橋下徹大阪市長ら「大阪系」が10月にも新党を旗揚げする一方、残留組は野党再編に向けて民主党と本格協議に入る。これに呼応するように、民主の若手からも出直しを求める「解党論」が噴き出した。県内の野党議員には、再編が結実すれば「国政選で与党と渡り合える」との期待がある一方、「離合集散の繰り返し。数合わせにしか映らない」との冷めた見方もある。

 「野党勢力の結集というわれわれの方針は微動だにしていない。自民党と組むなど、あり得ない」。分裂騒動の渦中で、維新の江田憲司前代表はこう断言。「ぶれたのは向こうだ」と語気を強め、政権寄りの姿勢が目立つ大阪系の心変わりを指弾した。

 江田氏をはじめ、県内の維新国会議員4人には、「党を割らない」と呼び掛けながら豹変(ひょうへん)し、新党結成を表明した橋下氏らへの不信感が強い。政界引退を公言していることに加え、関西を地盤とする橋下氏の影響力は「神奈川では限定的」とみており、現時点で橋下新党に同調する動きはない。

 「大阪系」とたもとを分かつ維新議員が活路を求めるのは、基本政策の一致を前提に民主などの改革勢力を結集して、自民1強に対抗する野党再編の実現だ。神奈川には、昨年のみんなの党解党で無所属となっている浅尾慶一郎衆院議員や、中西健治、松沢成文両参院議員らが民維の動向を注視しており、維新中堅は「国政選で与党を脅かすには、無所属議員の巻き込みが欠かせない」と指摘する。

 「憲法違反の安保法案を阻止できない1強多弱の国会状況をつくったのは民主の力不足。速やかに解党を決断し、新党樹立に取り組むべきだ」。3日、民主の衆院議員7人が連名で岡田克也代表に要請書を提出。岡田氏は4日、「解党はどこかと合流するのが前提。相当気が早い」と慎重な言い回しに終始したが、今国会終了後に維新と政策や選挙に関する協議機関の設置で合意しており、党内はにわかに再編モードを帯びつつある。

 要請書に名を連ねた後藤祐一氏は、低迷する党勢を念頭に「党は脱皮すべきときだ。同志を糾合する千載一遇の好機で、解党して出直す覚悟が必要」と話す。

 「民主は再編話はしても、行動が伴わない」。かねて、こう苦言を呈してきた江田氏は、後藤氏ら“決起部隊”に早速、好感を示し、「こうした改革勢力の皆さんと新党を立ち上げたい。丸ごと合併や吸収合併など、志の低いことをやっても国民の支持は得られない」と指摘した。

 ただ、民主内には「労働者や平和を重視する党の理念をないがしろにして妥協するようなら、数合わせで付いていけない」(参院中堅)との声も。県内小選挙区では民維の候補者が競合している選挙区もあり、曲折は必至だ。

 安全保障関連法案の扱いをめぐり緊迫する中での野党のドタバタ劇を、県内の自民党議員は、こう皮肉った。

 「重要法案の審議中だ。生き残り闘争はせめて、今国会で責任を全うしてからにしてほしい」

 
 

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