川崎市の新たな総合計画策定に住民の声を反映させる「市民車座集会」が23日、同市中原区の市総合福祉センターで開かれた。同市主催で約200人が参加、今後30年を見据えた行政の「設計図」案について活発な議論が交わされた。
福田紀彦市長は冒頭、7月末に公表した同計画素案を約40分間かけて説明。「街が好きな人が多ければ街はよくなる。あらゆる場面で市政に参加していただき、よりよいまちづくりを進めたい」と協力を呼び掛けた。
参加者からの質疑では、2月の市立中学1年男子生徒殺害事件を受けて「川崎のネガティブな問題が全国ニュースとなった。総合計画にイメージアップの視点を盛り込むべき」(中原区の女性)「中学校の少人数学級を実現してほしい」(川崎区の男性)といった要望が出た。
また、福田市長が公約とする小児医療費助成について「中高生まで拡充すべき」(川崎区の男性)とする声や、武蔵小杉地区の再開発をめぐり「次の世代に超高層ビルの負の遺産を残していいのか」(中原区の女性)との指摘もあった。
総合計画は、(1)今後30年を展望する「基本構想」(2)10年程度を見通した「基本計画」(3)原則4年間で財源の裏付けがある中期計画「実施計画」-の3層で構成。市議会の審議を経て2016年3月に新たな計画をまとめる予定だ。