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神奈川の首長7割「慎重審議を」 安保法案アンケート

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2015年7月14日(火) 03:00

安保法案の県内首長アンケート
安保法案の県内首長アンケート

 安倍晋三首相が今国会での成立を目指す安全保障関連法案について、県内で7割以上の首長が「慎重かつ十分な審議が必要」との認識を示し、拙速な法整備を懸念していることが13日、神奈川新聞社のアンケートで分かった。国民への説明に関しては、回答者の半数が「不十分」と指摘。国の在り方を変える安保政策の大転換に、自治体のトップも国民的合意が不可欠とみている実態が浮かび上がった。

 今国会での安保法案成立を目指す政府方針について、賛否を明確にした10人のうち、9人が「反対」と答えた。

 小林常良厚木市長は「今国会で性急に結論を求めるべきものではない」と指摘。村田邦子二宮町長は「国民的議論が不足している」、府川裕一開成町長も「今国会での成立にこだわらず、丁寧かつ十分な審議を」と求めた。大矢明夫清川村長は「18歳以上を含めた衆参同時選挙で賛否を問うてからとすべき」との考えを示した。

 また、「どちらとも言えない」を選んだ18人も、記述欄には「国民から十分な理解を得られるよう丁寧な説明をした上で採択すべき」(黒岩祐治知事)、「丁寧な説明と国民的議論を踏まえることが重要で、十分に時間をかけて審議することが必要」(鈴木恒夫藤沢市長)、「憲法問題にまで発展している以上、拙速に判断することなく、時間をかけて審議すべき」(小野澤豊愛川町長)などと明記。

 さらに、選択肢では回答しなかった6人にも「多くの憲法学者から違憲という指摘もあり、こうした見解や国民の声を国会が真摯(しんし)に受け止めて慎重に審議されるべき」(平井竜一逗子市長)といった意見がみられ、反対を含む25人が国民的合意に向けた慎重審議が必要との考えを示した。

 唯一「賛成」とした遠藤三紀夫座間市長は、「刻一刻と変化する周辺事態に対応するため、一定の準備は必要」との考えを示した。

 一方、「国民への説明は十分か」との問いには、半数の14人が「そうは思わない」と回答。「そう思う」と答えたのは遠藤市長1人だった。

 そうは思わないとした笠間城治郎綾瀬市長は「各界でさまざまな主張、意見がある状況では、説明が十分尽くされたとは言い難い」、古谷義幸秦野市長も「法案提出から議論が始まったのが現実で不十分」との認識を示した。

安全保障関連法案に関する緊急首長アンケート


 今月7日から知事と県内33市町村の首長にアンケートを配布し、13日までにすべての回答を得た。全5問にそれぞれ「賛成・そう思う」「反対・そうは思わない」「どちらとも言えない」の3択で答え、その理由を記述する形式。質問の選択肢には28人が回答し、自由意見には無回答者を含む16人が見解を寄せた。

 質問は次の通り
 (1)安保法案に賛成ですか? 反対ですか?
 (2)今国会で安保法案を成立させる政府方針に賛成ですか? 反対ですか?
 (3)安保法案に対する国民への説明は十分だと思いますか?
 (4)安保法案に含まれる集団的自衛権の行使は憲法に違反すると思いますか?
 (5)多くの米軍基地を抱える神奈川で、安保関連法の成立に伴う県民の危険性は高まると思いますか?

(☆は自由意見。原文のまま)

◆黒岩知事
(1)国民の間でも様々な意見があるため、十分な議論の上、結論を出すべきである。
(2)国会での議論を通じ、国民から十分な理解を得られるよう丁寧な説明をした上で採択すべきである。
(3)今後も引き続き、国会などを通じて、国民への説明を尽くされることを期待する。
(4)判断する立場にないが、「権利は持っているが、行使できない」といった考え方にある種の違和感を持っている。
(5)県としては、基地に対する県民の不安を取り除くため努力を続けていく。

◆林横浜市長
☆現在の国会における安全保障関連法案に関する議論は、まさに国際社会における我が国の方向性を決める重要な議論です。国際情勢が変化する中、日本が担ってきた役割、あるいは今後果たしていくべき役割等について、国民の理解を得られるよう、十分な議論が尽くされることを期待します。外交・防衛等の分野については基本的に国の専権事項であり、基礎自治体の首長として答えることは適切ではないと考えます。

◆福田川崎市長
☆安全保障関連法案につきましては、国民の命と平和な暮らしを守るという、国家の最も重要な課題でありますので、国政の場で、幅広く、国民に分かりやすい議論がなされることが何より重要であると考えております。

◆加山相模原市長
(1)安全保障政策は、国民の生命、財産を守る上で国の根幹をなすもので、国で責任をもって決定、対応すべきもの
(2)問1と同様
(3)問1と同様
(4)憲法に反するかどうかということを私が軽々に発言するのは、適当ではない
(5)-現時点では、安保関連法に伴う米軍基地への影響を想定することは困難である

◆吉田横須賀市長
☆安保関連法の議論は、日本を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、国民の命と平和な暮らしを守り抜くためにいかにすべきかとの観点から行われている。現在、国民全体の場である国会での議論も含め、国民的議論がなされていると認識している。

◆落合平塚市長
(1)国政において議論される案件であるため、具体的な意思表示は差し控えたい。
(2)国政において議論される案件であるため、具体的な意思表示は差し控えたい。
(3)国の方針に基づき行われているものであるため、具体的な意思表示は差し控えたい。
(4)国政において議論される案件であるため、具体的な意志表示は差し控えたい。
(5)国の方針に基づくものであり、具体的な意思表示は差し控えたい。
☆市議会での意見書も採択されており、丁寧かつ慎重な議論をお願いしたいと考えます。

◆松尾鎌倉市長
☆安全保障関連法案については、広く国民全体に関係するものであり、国民的議論をふまえた国会審議により、国として判断されるべき事項と考えます。

◆鈴木藤沢市長
☆国の責任において、国民が生活に不安を抱くことのないよう、丁寧な説明と国民的議論を踏まえることが重要であり、十分に時間をかけて審議することが必要であると考えております。

◆加藤小田原市長
(1)必要性や平和憲法との整合性などについて、納得のゆく議論や説明が尽くされていない。
(2)国民の生命と財産に関わる極めて重要なテーマであり、性急な判断を行うべきでない。
(3)各種世論調査において多くの国民が説明不足と感じている、との結果が出ている。
(4)双方の解釈に隔たりがあり、拠って立つべき統一的見解に至っていない。
(5)国際的な武力衝突に間接的にであれ関わることで、攻撃の対象と見倣される可能性が生じる。

◆服部茅ケ崎市長
☆今国会で進められている関連法案の審議は、今後の国のあり様にも大きな影響をあたえる、大変重要な事柄である。国民一人一人が、自らのこと、また、子息のことでもあることを感じ、意思表示をすべきこと。その意味からすると、より丁寧な議論と、今後矛盾をおこさない手続きが大切。こうした議論の行われている最中に、自治体の運営の責任者としての職を託された首長が、関連する個々の事柄について意思表示するのは、適当な時期ではないと考えます。

◆平井逗子市長
☆国会審議中なので具体的回答は控えますが、多くの憲法学者から違憲であるという指摘もなされており、こうした憲法学者の見解、あるいは国民の多くの声を国会が真摯に受け止めて、慎重に審議をされるべきと考えます。

◆吉田三浦市長
(2)十分な議論を経て、国民の納得が得られるようにしてほしい
(3)国民の間で、多くの賛否の議論が生じているため
(4)有識者間でも様々な解釈があるため
(5)直ちに影響があるとは思わない。

◆古谷秦野市長
(1)我国が、世界平和の為に役割を果たすことは必要であるが、決定には、なお、議論を尽くす必要がある。
(2)議決に際しては、世論が反映されなければならないと考えます。
(3)法案が提出されてから具体の議論が始まったのが現実で、不十分と思う。
(4)市長として、憲法判断についての考えは控えたい。

◆小林厚木市長
(1)国の安全保障の根幹にかかわる重要な法案。国民の意を反映し、国会での慎重な審議を期待したい。
(2)より慎重な議論と国民の理解が求められる。今国会で性急に結論を求めるべきものではないと感じている。
(3)国民の理解が深まっているとは思えない。政府は丁寧に説明し、場合によって国民の審判も必要と考える。
(4)様々な解釈があると思うが、時の政権によって憲法解釈が変わることは望ましいとは思わない。
(5)ただちに危険性が高まるとは思わない。

◆大木大和市長
☆安全保障に関わることは、国の専管事項ではございますが、市民の生命と財産を守るべき市長といたしまして、今後も、国会の審議や国の動向について、厚木基地の運用等への影響なども含め、注意深く見極めていきたいと考えております。

◆高山伊勢原市長
(1)十分な審議をして欲しいと考えている。
(2)十分な審議をして欲しいと考えている。
(4)専門家の間でも解釈が分かれている

◆内野海老名市長
☆安全保障関連法案は、国の安全保障の根幹に関わる重要法案であり、国会において慎重かつ十分な審議を行い、国民の理解を得るための説明を尽くす必要があると考えます。

◆遠藤座間市長
(1)現状の国際情勢を考える中で、しっかりと対応できる体制がなければ、我が国の平和と安全は維持できない。
(2)我が国周辺の安全保障環境を考えると、刻一刻と変化する周辺事態に対応するために、一定の準備は必要。
(3)牽強付会な論で本筋から離れているところで議論されている感がある。
(4)集団的自衛権は、国家が固有に具備している権利であり、この権利を行使することが違反になるとは思わない。
(5)安全保障環境を整えることで抑止力は高まり危険性は逆に低下すると考える。

◆加藤南足柄市長
(1)法律論と政策論の摺り合せと、国民が充分に理解できる説明が大切。
(2)法律論と政策論の摺り合せと、国民が充分に理解できる説明が大切。
(3)国民への充分な説明の上に立った議論が尽くされているとは言い難い。
(4)法律論と政策論の摺り合せと、国民が充分に理解できる説明が大切。
(5)法律論と政策論の摺り合せと、国民が充分に理解できる説明が大切。
☆きれ目ない対応を可能とする国内法制の整備は必要と考える。

◆笠間綾瀬市長
(1)日本を取り巻く安全保障環境を考えると、国会において真剣な議論がなされ決定されるべきものと思う。
(2)国民の理解を深めるため、国会の場での議論の深まりを期待する。
(3)各界で様々な主張、意見がある状況では、説明が十分尽くされたとは言いがたい。
(4)憲法解釈は、時代により変遷した経過があり、各政党の主張や学説等にも多くの解釈があることは承知している。
(5)法整備により、抑止力が高まり、国全体や国民へのリスクを抑える効果があるとの見方がある。

◆山梨葉山町長
☆防衛・安全保障など国際的かつ高度な政治的課題については、特に慎重に国民的議論を重ね、常に合意形成に努めたうえで判断すべきである。

◆木村寒川町長
(1)現時点における説明内容では「どちらとも言えない」と判断する。

◆中崎大磯町長
☆現在、国会で審議中であり、安全保障関連法案については、国政レベルの問題と認識しており、コメントは差し控えたい。

◆村田二宮町長
(1)憲法解釈の変更で、集団的自衛権行使を容認しているため。
(2)憲法学者の多くが違憲だとする中、数の多寡だけが問題ではないが、国民的議論が不足していると考えるため。
(3)問2に対する回答理由と同じ。
(4)現憲法では集団的自衛権の行使を認めていないと考える。憲法上許される自衛の範囲を逸脱しているのでは。
(5)現状の情報のみでは判断がつかないため。

◆杉山中井町長
(1)2度と戦争の惨禍を繰り返してはならないが日本周辺国との領土問題等に対応するための法整備は必要である。
(2)責任ある丁寧な議論を国民に見える形で活発に行う必要がある。
(3)世界の安全保障環境の現実を国民に正しく説明し、恒久平和であり続けるための法整備が必要である。
(4)合憲・違憲は、最高裁判所の判断に委ねる。
(5)恒久平和であり続けるための法整備であるならば、危険性は高まらない。

◆間宮大井町長(記述なし)

◆本山松田町長
(1)国会が延長され、審議が尽くされた上での結論を尊重したい。
(2)十分な説明と審議を尽くした上で判断してほしい。
(3)国会の会期が延長され、審議が行われているので、現段階では、その説明の途中と考えている。
(4)前問の理由と同じ
(5)前問の理由と同じ

◆湯川山北町長
(1)近隣諸国との有事の際に必要だと思う。
(2)もう少し説明が欲しい。
(5)マスコミの伝え方だと思う。

◆府川開成町長
(1)国会での審議は十分とは言えず、国民の理解納得が得られているとは言い難いため。
(2)今国会での成立にこだわらず、丁寧かつ十分な審議をしてほしい。
(3)世論調査の結果をみても、国民への説明は十分とは言い難い。
(4)集団的自衛権の行使は憲法の枠外と考えられ憲法の基本原理である平和主義を覆す恐れがある

◆山口昇士箱根町長
(1)防衛上厳しい環境であるとは理解するが、それが何故解釈改憲で始まらなければいけないのか?
(2)慎重に国民の意見を十二分に聞く。また、説明をするべき。
(3)まったく不十分。

◆宇賀真鶴町長(記述なし)

◆冨田湯河原町長
(1)自分の国を自分で守ることは、当然と思う。しかし、戦争をする国になるようなイメージを持ってしまう。
(2)賛否は別として、これだけ国民が関心している状況は重要な事なので、国民的議論はもう少し時間が必要かと。
(3)問2の回答と同じです。
(4)高度な法の解釈は解りませんが、平和憲法下での許容範囲は、もう少し限定的かと理解している。
(5)特にありません。
☆日本国民の人口の8割が、戦後生まれの世代で有る現在、世界の中での日本の立場、責任は、戦後70年間で違ってきていると思います。しかし、私も含め、本当の戦争の怖さを知らない人々が、今後のいろいろな局面での判断で、誤った判断を下さないかが、一番気に掛かる。

◆小野澤愛川町長
(1)我が国を取り巻く国際環境が劇的に変動している中で平和を維持するためには、まだまだ議論が必要である。
(2)上記のとおりであり、憲法問題にまで発展している以上、拙速に判断することなく、時間をかけて審議すべき。
(3)難しい問題だけに、もっと国民への説明が必要である。
(4)違憲であるかの判断は、現時点では憲法学者の判断に委ねたい。
(5)判断は難しいが、危険性が高まらないことを願うところである。
☆中国が南シナ海を自国領海として、軍事基地化する問題や北朝鮮による弾道ミサイル発射や核開発など、日本を取り巻く東アジア情勢が一層緊迫した状況にあり、あらゆる事態を想定して国民の命と平和な暮らしを守るため、時代の流れの中で、安全保障法制を整備する必要があると思う。そうした中で、設問に対しては、専門的な立場にある学者でも議論が分かれるくらい難しい問題であり、賛成か反対かどちらとも言えないところである。

◆大矢清川村長
(1)重要法案のため、十分な時間を掛け、国民の意見を聞くことが必要。
(2)上記と同じ。来年、18歳以上を含めた衆参両院同時選挙で可否を問うてからとすべき。
(3)国民のほとんどが詳細を知り得ていないのではないか。
(4)従前の政府はその立場を取ってきた。国民もそれを支持してきた。
(5)仮に成立しても、そうならないよう願うばかり。
☆集団的自衛権を行使するのは政府でも、現場へは乳幼児を含むこれからの若者。周辺国とは、善隣友好関係を確立する努力を続けてほしい。

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