
横須賀市議会は26日、答弁拒否など不誠実な対応を理由とした吉田雄人市長への問責決議案を賛成33、反対7の賛成多数で可決した。市議会事務局によると、記録が残る1947年以降、同市議会で市長への問責決議案が提出、可決されたのは初めて。決議に法的拘束力はない。
吉田市長は本会議の冒頭、「議会内の取り決めを理由に答弁しなかったと発言してしまった。市長の発言として適切でなかったと、深く反省している」などと陳謝した。
問責決議案を提出した上地克明氏(無会派)は「陳謝(の内容次第)で決議案の撤回をするつもりも少しはあった」と言及。その上で、自身だけ答弁を拒否される理由をただした11日の再質問に対し、「他の議員にも配慮して答弁している」と答えた市長発言を問題視。
「議事録をすべて調べたが(同様に)答えていない例は一つもない。前言を正当化するため詭弁(きべん)を弄(ろう)し、明らかなうそをつく体質は断じて許せない」などと批判し、決議案への賛同を求めた。
採決では議長を除く40人のうち、8割超にあたる自民党、公明党、市政同友会、研政、共産党、無会派の計33人が賛成。市長は可決後に記者団に対し、「本会議場で不適切な発言をし、猛省している。決議を重く受け止めたい」と述べた。
決議案は答弁拒否に加え、採用前に吉田市長側に献金していた任期付き職員を、今春に正規職員として採用した問題にも触れ、「おごりのあらわれとも取れ、到底看過できない」などと指摘していた。