維新の党の江田憲司前代表(衆院8区)が、安全保障関連法案の対案をめぐる党内の混乱収拾で存在感を示している。一兵卒ながら、党内に強い影響力を持つ橋下徹最高顧問に直言できる数少ない存在として、事態を軟着陸させた。
対案に関し、橋下氏はツイッターで「国民理解を得られない」などと酷評。所属議員に動揺が広がる中、橋下氏に電話で党の調査会がまとめた対案の「根幹部分は譲れない」ときっぱり伝えた。党のガバナンスを重視する立場から「大阪で所属議員があなたの意見を聞く。ツイッターでの発信は失礼だ」と、一方的な物言いをいさめもした。
20日の所属議員との勉強会で、対案に意見をぶつけた上で、執行部に対応を一任した橋下氏。矛を収めた背景を若手の一人は「江田氏との事前の議論が大きかったのでは」と推察する。みんなの党幹事長時代から培った橋下氏との盟友関係が、局面で物を言った形だ。
一兵卒は「国民の声に応えるには、党の結束が大事」と説き、党内にみられる橋下氏の意向の「過度な忖度(そんたく)」を戒める。