相模原市都市計画審議会の屋井鉄雄会長(東工大大学院教授)は22日、加山俊夫市長に次期の第7回線引き全市見直しについて答申した。旧津久井郡4町との合併を経て現在は三つある都市計画区域を、「非線引き」「線引き」で二つの区域に再編するのが適当とする結論を出した。前回見直し(2009年度)では旧津久井町などの線引きが地元住民の反対で“延期”された経緯があるが、その後の政令改正で非線引きの選択が可能となった。
都計審は13年10月に加山市長からの諮問を受け、市街化区域と市街化調整区域に区分する線引きの在り方などについて議論を進めていた。
現在の都市計画区域は、線引き区域の相模原(旧市と旧城山町)と、非線引き区域の津久井(旧津久井町の一部)、相模湖(旧相模湖町全域と旧藤野町の一部)の三つに分かれる。
この3区域の見直しで、可能性のある3案を提示して調査。A案が「一つの区域に再編」、B案は「線引き、非線引きの2区域に再編」、C案「現在の3区域を存続」について比較検討した結果、人口や土地利用の動向などの評価分析からB案が適当と判断した。
政令市に義務付けられた線引きは、13年7月の改正都市計画法施行令で要件が緩和。政令市でも人口50万人未満の区域なら線引きをしなくてもいい例外規定が設けられた。津久井、相模湖の2区域は人口計約4万3千人で、これに当たる。
答申を受け、加山市長は「合併を経て都市部と自然を保護する地域を持つ二面性を持つ市になった。地方の在り方が問われる中で、しっかり受け止めてまちづくりを進める」と話した。
市はこの答申を踏まえて線引き見直しの基本方針案をまとめ、パブリックコメントを経て15年度中に同方針を策定する。次期線引きは16年度の予定。