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鎌倉、御成小の講堂 市長「撤去も…」 住民ら「怠慢」と反発

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2015年6月19日(金) 10:20

二つの塔屋が特徴的な講堂。床面積は686平方メートル=鎌倉市御成町の市立御成小
二つの塔屋が特徴的な講堂。床面積は686平方メートル=鎌倉市御成町の市立御成小

 鎌倉市御成町の市立御成小学校の講堂をめぐり、松尾崇市長が市議会で「撤去」の可能性に言及し、講堂の保存活動に携わってきた市民や専門家が危機感を募らせている。市は20年近く前に保存方針を明示し、具体的な修復計画を策定したにもかかわらず、実行に移さなかった。議会で指摘された建物の劣化は「行政の不作為、怠慢が原因ではないか」との声も上がる。

 講堂は1933年、同校開校に合わせ完成した。二つの塔屋を載せた入り母屋の外観が特徴で、しっくい壁や格天井、寺社風の屋根飾りである懸魚(げぎょ)などに伝統的な和風建築の意匠が見て取れる。戦前の小学校施設では市内唯一の現存例。

 問題となっているのは、松尾市長が「撤去も含め夏休み前までに方針を決定する」とした12日の市議会本会議での発言。市の3月末までの調査で「現在の耐震基準に適合せず、屋根のスレートにアスベスト(石綿)が含有されている」と判明したことを受けたという。

 「撤去も含め…」の発言に、30年にわたり保存活動に携わる市内の野村雅代さんは「市は保存を約束したのではなかったか。アスベストは飛散の恐れはなく、存在は前から知られていた」と疑問を投げ掛ける。というのも、市は96年の時点で講堂を「そのまま修復保存して利用する」と調査報告書に明記していたからだ。

 講堂の処遇をめぐる議論は30年以上も続く。端緒は83年に出された校舎の改築案。敷地から埋蔵文化財が発見されたこともあり、新校舎が完成したのは98年。その際、講堂の雰囲気に合わせ、新校舎のうち1棟は旧来の木造校舎を模した「再生新築」とされた。同年、市は講堂の詳細調査も行い、基礎の強化など具体的な修復方法も決めた。

 しかしその後、一向に補修が始まらないまま、雨漏りなど劣化が進んだ。市学校施設課は「財政上の問題でなかなか予算化できなかった」と説明する。

 講堂の「保存活用をめざす会」幹事で、同校の改築計画にも関わった市内の建築家、福澤健次さんは「耐震補強を兼ねて教室に改装する案などを最近、市に提案した」と、多様な活用案を示す。同校に隣接する旧図書館の保存活動にも関わる市内の建築家、菅孝能さんは「講堂、図書館、(旧御用邸の)冠木門の三つが貴重な景観を形成している」と指摘。「木造建築なので補強の方法はいくらでもある」と話している。

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