「大阪都構想」が住民投票で否決されたことを受け、維新の党の江田憲司代表(衆院8区)は18日未明、「党の原点政策が否定された。責任を痛感している」と述べ、代表を辞任する意向を表明した。橋下徹大阪市長(党最高顧問)も任期限りでの政界引退を明言。党の顔の2人が同時に表舞台を去ることになり、野党第2党の維新は正念場を迎えている。
党執行部は19日の執行役員会で江田氏を慰留する考えだが、関係者によると、「けじめをつけたい」との辞意は固いといい、両院議員総会での同日中の新代表選出も含め、早期の事態収拾を図る。後継は松野頼久幹事長を軸に調整が進むとみられる。
江田氏は橋下氏の政界引退表明後、記者団の取材に応じ「稀有(けう)な政治家である橋下氏を引退に追い込んだ。サポートが全く不十分だった。以前から(住民投票で)負けるようなことがあれば、責任は免れないと松野氏に伝えていた」と述べた。その上で、「一兵卒として新執行部を支える。党の果たすべき使命は引き続き重い」と語った。後継に関し「松野氏を中心にまとまってほしい」と要望した。
党内には「トップとして潔く責任を取った」との声がある一方、国会会期中で安全保障関連法案など重要法案審議や党首討論を控えていることを踏まえ、「国政選挙で負けたわけではない。辞任する理由はない」との意見もある。
江田氏は、みんなの党幹事長や結いの党代表を歴任。昨年9月に、結いと日本維新の会の合流による維新の党結党に伴い、橋下氏とともに代表に就いた。統一地方選への対応を理由に、橋下氏が同12月に最高顧問に退いて以降、単独の代表として党を率いてきた。