2020年の東京五輪までの完成を目指している横浜市の新市庁舎にかかわる設計・建設費が入札時点で約749億円となる見通しであることが12日、分かった。昨秋時点の試算約667億円から約82億円(約12%)増えた。建設資材や人件費の高騰、設備変更などを踏まえた試算で、20年6月末に供用を始める予定。
15日開会の市会定例会に提出する一般会計補正予算案に、着手に伴う設計費の一部など計約3億1900万円を計上する考えだ。
市関係者によると、内訳は建設費が724億円、設計費などが25億円。入札実施予定の10月までの建築費の高騰分などを加味したほか、一部設備の変更などを踏まえて試算し直した。
設備変更としては、みなとみらい線馬車道駅から新市庁舎のアトリウム(吹き抜け広場)に直結するエレベーターを新設するほか、アトリウムと市庁舎2・3階をつなぐエスカレーターを増設。地震発生後に建物のひずみを感知するセンサーを付けるなど、震災対策を強化する。新規エレベーター整備には、国庫補助金の導入を検討する。
昨年3月にまとめた基本計画では約616億円と試算しており、2回の見直しを経て約133億円(約22%)増えたことになる。
事業スケジュールは、6月中旬に設計・施工一括発注契約にかかわる入札公告を行い、10月に入札を実施。来年2月下旬に落札業者と契約を結ぶ予定。17年夏ごろの着工、20年1月末の完成、同年6月末からの供用開始を目指す。
補正予算案には、設計の一部費用4千万円や、予定地(同市中区本町6丁目)の地下から明治・大正期の建物の基礎の遺構が発見されたとして埋蔵文化財の発掘調査費2億7400万円を計上する。