
幸区役所(同区戸手本町1丁目)の新庁舎が5月7日、現庁舎の隣接地にオープンする。延べ床面積で1・4倍広がり、利用者の待合スペースなどを拡充。耐震性や地球環境に配慮し、災害時には地域の防災拠点としての役割も期待される。
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鉄筋4階建て、高さ20メートルの新庁舎は延べ床面積約8350平方メートル。2013年4月に着工し、ことし2月に完成した。総工費は約35億円。建物正面をガラス張りにした開放感のある造りが特長だ。
区民の利用頻度が高い住民登録や健康保険、年金などの窓口を1階に整備。2階では高齢者や障害者、保育関連の相談を受け付け、保健所機能を3階に集約した。最上階には町内会、自治会の窓口となる地域振興課などを配す。新庁舎で働く職員は約300人。
各フロアとも現庁舎より窓口や個室タイプの相談室を増やして手続きの迅速化に努めるほか、利用者の待機エリアも現行より広めに整備。1階の市民活動コーナーや3階のキッズルームは、現庁舎にはなかった新たな市民サービスとなる。
屋上に太陽光発電パネルを配置し、地中熱を使った空調システムを導入するなど自然エネルギーを活用。雨水を使ったトイレも新たに整備した。激しい揺れに強い免震構造で、首都直下地震などの災害時には4階部分が同区の災害対策本部となる。
オープンに先駆け、30日に記念式典を開催。福田紀彦市長は「幸区は市内で最も定住志向が強いエリア。新設の市民活動コーナーを新旧住民の結節点にしてほしい」と話した。
1975年開設の現庁舎は市内7区役所で最も古く、耐震性などの面から建て替えが急務だった。閉鎖後の6月から解体工事に着手する予定。最寄りのJR南武線矢向駅から徒歩15分とアクセスに難があることから、跡地には2016年7月末をめどに75台収容の駐車場を整備する。
