川崎市教育委員会の渡邊直美教育長は20日、市立中学1年の男子生徒殺害事件の検証と再発防止に向けた最終報告書の公表時期について、「5月末か6月上旬かは分からないが、その頃がタイムリミットと考えている」との見通しを明らかにした。同日の市教委臨時会後、報道陣に答えた。
市教委の検証委員会は3月下旬、教職員や生徒への聞き取り調査を踏まえ、「被害生徒の交友関係や思いを理解できず、事件につながる危機感を持てなかった」とする中間取りまとめを公表。最終報告書では、市教委など関係機関との連携や、生命・人権尊重の教育の観点からも検証、考察を加えていく方針だ。
また、学校と警察の連携について、渡邊教育長は「昨年度、県警と進めてきた研究の成果を踏まえ、連携強化の在り方を具体化していきたい」と説明。事件発生から2カ月となったこの日、遺族にあらためてお悔やみを述べ、「このような痛ましい事件が起こらないよう、できる限りのことに取り組みたい」と述べた。