東京都は10日、2020年五輪で計画している江東区のセーリング会場について、周辺での空撮に制約があることから、代替の既存施設への変更を検討する方針を明らかにした。都議会の特別委員会で説明した。
都幹部は特別委で「競技海域での空撮が航空管制上の制約を受けるなど課題が残る。(開催は)非常に厳しい」と述べた。都は、6月に予定される国際オリンピック委員会(IOC)理事会までに、会場を決める考え。
関係者によると、代替候補地には稲毛(千葉市)、江の島(藤沢市)、愛知県蒲郡市が挙がっている。
セーリング会場について、都は当初の新設計画を見直し、近隣の「若洲海浜公園ヨット訓練所」を改修する予定にしていた。しかし、羽田空港に近く、テレビ中継などをする空撮のヘリコプターが飛行を制限される空域に入ってしまうとの問題が残っていた。
特別委では、同様の課題を抱えるトライアスロン会場の「お台場海浜公園」(港区)について、都幹部が「海面と道路を利用する競技でさまざまな撮影方法が考えられる」として、セーリングとは状況が異なるとの認識を示した。
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江の島への誘致を期待する藤沢市の鈴木恒夫市長は「江の島開催となれば、既存施設活用のモデルになる。チャンスがあれば、ぜひ世界文化遺産である富士山を望む相模湾でお願いしたい」とコメントした。
市企画政策課は「会場はあくまで都側が決めること」としつつ、「リクエストがあった際に迅速に対応できるよう、県と連携して準備は進めていきたい」と話している。