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72万都市の課題・相模原市長選<1>
市債 市民負担認識にずれ

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2015年3月22日(日) 15:18

 「市民の視点に立った収支の見せ方など丁寧な説明を行い、市民の理解を得る必要がある」

 2014年1月、相模原市議会の大都市制度に関する特別委員会は、市の政令指定都市移行後3年の財政状況についてこう総括した。

 政令市に移行したのは10年4月。特別委への市の報告では、移行に伴う収支を計算したところ、移行前の財政シミュレーションに比べ、歳入が歳出を大きく上回った。しかし、その大きな要因は市債発行額の増加だ。

 移行に伴い、さがみ縦貫道路(圏央道)の建設負担金などの国直轄事業経費や、国道・県道などの国県道整備経費などを負担しなければならず、建設債(市債)の発行が増えた。国直轄事業負担金は、縦貫道建設がピークだった12年度に101億円を超えた。

 市が示した市債残高の推移によると、政令市移行後の右肩上がりが顕著だ。移行前の09年度末は1933億円で、これが15年度末には過去最大額となる2601億円を見込む。

 ただ近年の内訳では、景気低迷などによる市税収入の減少を補う臨時財政対策債(臨財債)が増えている。これは償還財源を国が全額負担する地方債だ。

 一方で移行に伴う県からの権限移譲などでの増収は年間約40億円という。新たに担うことになった国県道整備・維持の費用とほぼ同額で、加えて児童相談所の運営など福祉関連で約30億円の経費がかかっている。しかし、県に入っていた国庫支出金なども市に入ってきたため、全体的には“黒字”といえる。ただ、今後も縦貫道のような国直轄事業の可能性もあり、臨時の出費が懸念される。

 こうした市の財政状況に、市の問題点を個人で研究している三浦省一(73)=南区在住=は憤る。「少子高齢化社会で経済成長が見込めず、市税収は伸びない。借金(市債)をどこまで増やし続けるつもりなのか」。将来世代へのつけの先送りについても問題にする。市は移行前、「市民税の増税など市民生活への影響はない」と、新たな市民負担は生じないと明言してきた。それだけに三浦は「国直轄事業負担金などは、政令市に移行しなければ発生しなかった新たな市民負担だ」と声を大にする。

 ただ市も、現状に手をこまねいているわけではない。市債の発行抑制に努め、11~13年度の3年間合計で発行額1千億円以内の上限枠を設け、決算ベースで993億円と目標を達成した。14年度からの3年間では950億円以内に取り組む。

 冒頭の特別委の質疑で、こんなやりとりがあった。

 「いずれ償還しなければならない市債は市の借金」。こうただす委員に、市は「市債は収入。市債を利用するのは少額ずつ長期にわたる償還で各世代が公平に負担するため」などと答え、双方の認識の“ずれ”は埋まらなかった。市民に対してはどう理解を得ていくか、丁寧な説明が求められている。



 圏央道の相模原区間が開通し、リニア中央新幹線建設では橋本駅南口に中間駅が設置される。在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)の一部返還も実現-。大型事業などが相次いでいる相模原市。29日告示の市長選を前に、市政の課題を追った。 =敬称略

【神奈川新聞】

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