
来日中のフランク・ローズ米国務次官補(軍備管理・検証・順守担当)は24日、米大使館で神奈川新聞社などの共同インタビューに応じ、日米両国が協議している防衛協力指針(ガイドライン)の見直し作業について「日米双方がミサイル防衛で、より実効性のある運用を可能にすることが重要」と述べ、日米部隊の統合を進めていく必要性を強調した。
米軍と自衛隊の役割分担を盛り込んだ指針改定については、ミサイル防衛や拡大抑止、宇宙、サイバー空間での安全保障協力の強化が盛り込まれることを「期待している」とした。
宇宙空間の安全保障について、ローズ氏は「米国や同盟国にとって危険な衛星攻撃能力を中国が開発している明確な証拠がある」と指摘。「衛星攻撃能力は現実の脅威。持続可能で長期的な宇宙の安全保障に関与する」と述べた。
日米韓3カ国によるミサイル防衛協力をめぐっては昨年、3カ国が北朝鮮の核・ミサイルに関する秘密情報を共有するための覚書を結んでいる。ローズ氏は、「朝鮮半島有事では3カ国の効率的な調整が極めて重要。(日韓の歴史問題などの)課題はあるが、協力進展のほかに選択肢はない」として、日韓関係改善に期待感を示した。
安倍政権が閣議決定した集団的自衛権の行使容認に関しては、「日本政府が相互運用性を高め、実効性を高めるすべての努力を支持する」と強調した。
日米のミサイル防衛協力をめぐり、米国は昨年、早期警戒レーダー(Xバンドレーダー)を経ケ岬通信所(京都府)に配備。横須賀基地(横須賀市)には今後、ミサイル防衛能力を持つイージス艦を追加配備する計画を発表している。
【神奈川新聞】