厚木市長選の投開票から一夜明けた16日、3選を果たした小林常良市長は市役所で市選挙管理委員会から当選証書を受け取り、今後の抱負などをあらためて語った。
-3選を果たした感想は。
「市民の皆さまから頂いた信頼をしっかりと受け止めて、これからも市民に軸足を置いていく。街の活性化、企業誘致、子育て支援、高齢者福祉の充実など、約束したことはきちんとやっていきたい」
-同じ相手との選挙戦を振り返って。
「予想以上に厳しかった。相手候補はアミューあつぎの再生や健康こどもの森の整備事業について『税金の無駄遣い』と批判したが、一部で誤解もあった。選挙戦を通じて説明して市民の良識ある判断が得られたと思う」
-相手候補との得票差は前回のほぼ半分の4200票に縮まったが。
「数字自体はあまり気にしない。正直、終盤は得票差よりももっと追い上げられていたという感触もあった。こうした危機感が陣営を引き締めて3選につながった。支援者の方には本当に感謝申し上げたい」
-3期目の抱負は。
「このほど第1期工事が終わった新市立病院は、2年後の全面オープンに向けてしっかりと造り上げる。小田急線本厚木駅南口地区の再開発ビルの建設計画を着実に進める。待機児童ゼロや高齢者の買い物支援など、マニフェストで示した136の政策を実現させる」
-自ら提案した多選自粛条例によって最後の任期になるのか。
「市民の命と街の安心・安全を守ることを基本にして行政を運営してきたので、これは最後までやり抜きたい。防災や観光など周辺自治体との広域連携の取り組みについては進展させていく責任がある。市政継続には後継者育成も課題になるだろう」
◇「いい戦いできた」敗戦の石射氏
接戦の末、落選が決まった石射正英氏は、15日午後11時10分ごろ、厚木市恩名の事務所に沈痛な面持ちで現れた。
前回に続く2度目の挑戦。支持者らを前に「勝ったときのあいさつしか考えていなかったが、こういう結果になった」と切り出し、悔しさをにじませた。「みなさまのご支援によって、いい戦いができた」と感謝の言葉を述べた。
「この結果は市民の声ということで、受け入れなければならない。残念な結果だが、私も一市民として行政に対して物が言えるときには、物を申していきたいと思っている」と締めくくると、支援者からは拍手と「お疲れさま」とねぎらいの言葉が上がった。
【神奈川新聞】