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県15年度予算案:骨格も過去最大 子育て新制度で膨らむ

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2015年2月14日(土) 03:00

県の2015年度当初予算案を説明する黒岩知事=県庁
県の2015年度当初予算案を説明する黒岩知事=県庁

黒岩祐治知事は13日、2015年度当初予算案を発表した。4月の知事選を控え義務的経費や継続事業に絞った「骨格予算」としたが、15年度から始まる「子ども・子育て支援新制度」への対応などで社会保障関係費が膨らみ、一般会計は総額1兆9495億円(14年度当初比4・5%増)の過去最大規模となった。14年度2月補正予算案とともに、17日開会の県議会第1回定例会に提出する。

黒岩知事は会見で「骨格予算だが、県民の安全・安心の確保や新たな子ども・子育て制度にしっかり取り組み、神奈川から経済のエンジンを回す予算を編成した」と述べた。

知事選後、新知事が政策的経費や新規事業を計上する「肉付け予算」に対応する財源として、法人事業税の収入見込み額のうち50億円の計上を留保した。

■歳入 一般会計歳入の6割を占める県税は4年連続増加し、10・6%(1156億円)増の1兆2057億円を見込む。このうち地方消費税は税率引き上げで44%増加、企業収益の改善を受け法人2税(県民税、事業税)も5・9%増えた。地方交付税は35・6%増の610億円となる見通し。

借金に当たる県債の新規発行額は2年連続減少し、2303億円(23・9%減)。このうち、国が地方交付税の財源不足を理由に交付額を減らした分を各自治体に臨時的に発行させて対処してきた臨時財政対策債は1820億円で27・8%減った。年度末残高は25年ぶりに減少し3兆6588億円となったが、肉付け予算次第で増加する可能性もある。

■歳出 歳出は、子ども・子育て支援新制度への対応や待機児童対策、高齢化に伴う介護・医療・児童関係費が13・6%増の3329億円。地方消費税の増収に伴い、県内市町村に交付する地方消費税交付金も50・0%増の1562億円となった。これらと人件費などを含む義務的経費は1兆6415億円(7・8%増)と歳出全体の84・2%を占めた。

県独自の事業に支出する政策的経費は9・9%(336億円)減の3079億円とし、既定方針に基づく事業や政策的な継続性を重視する事業に絞り込んだ。公共事業の新規着工は行わず、維持補修費のみを前年度並みに確保した。

14年度一般会計の2月補正予算案は、税収増や花月園競輪場跡地売却による財産収入増などで355億円を計上。この他、681億円を基金に積み立て、このうち約580億円を15年度の財源不足に充てる。

◇PB黒字化達成 目標より4年早く 県の2014年度最終予算で、プライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)が82億円の黒字となった。18年度までの黒字化を目指す県債管理目標を4年前倒しで達成した。

PBは、公債費から県債新規発行額を差し引いた収支で、財政の健全度を示す指標となる。

県は将来の公債費を抑制する目的で、臨時財政対策債を含む県債全体の残高を減らすために県債管理目標を設定し、県債発行の抑制に取り組んできた。

3兆6千億円を超す県債全体の残高は右肩上がりで増えてきたが、15年度当初予算では、前年度比62億円減少。黒岩祐治知事は会見で「今回は骨格予算のため残高はやや減少したが、引き続き目標達成に努力していく」と述べた。

◇税収増も「綱渡り」編成 解説

県の2015年度当初予算案は、地方交付税の交付団体ゆえの悩ましい財政構造を浮き彫りにした。景気回復による税収増も政策的経費に充てられる財源の拡大に結びつかず、むしろ国からの地方交付税が減らされ、やりくりに苦心する「綱渡り」(黒岩祐治知事)の編成を強いられた。

所得や企業所得で増減する県民税と法人関係税でみると、計213億円の増収を見込む一方で、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税は540億円の減額。結果的に財源は増えず、黒岩知事も会見で「頑張って税収を増やしても報われない仕組みだ」と、地方財政制度自体を問題視した。

交付税の減額は予算編成作業にも影を落とした。地方の税収増を見込んだ国が1月に地方財政対策で交付税の減額方針を示したため、県は昨秋の予算編成方針通知時より300億円も減額して見積もらざるを得ず、財源不足は680億円に拡大。広がった穴に前年度の税収や不動産売却の増収分(580億円)などを充てて辛うじて乗り切った。

高齢化に伴い社会保障関係費は10年前の2・4倍に増え、歳出に占める義務的経費の割合は過去最高の84・2%(2・5ポイント増)に上昇。県債残高も3兆6588億円に上り、公債費負担が重くのしかかる。

4月の選挙で新たに選ばれる知事はこうした台所事情と向き合うことになる。不断の行財政改革とともに、限られた財源を政策判断で振り向ける施策・事業の投資効果と説明責任が厳しく問われるのは間違いない。

【神奈川新聞】


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