4月の県議選三浦市選挙区(定数1)が、保守系が分裂して戦う展開となりそうだ。立候補予定者はこれまで自民現職の木村謙蔵氏(59)のみだったが、12日夕に元市議の石川巧氏(42)が立候補を表明。石川氏が所属していた保守系の最大会派「みうら市政会」(6人)の市議たちの間には、自民公認の現職に保守系の新人が挑む構図に動揺も広がっている。
同日市議を辞職した石川氏は、市役所で開いた会見で「三浦のためになる真のパイプ役になりたい。さまざまな課題に対し、今よりもっと何とかできるのではないかと思って志した」と無所属で出馬する意向を表明。会見には岩野匡史議長も同席し「若い人が中心になって町を何とかしたいと危機感を持っていることを評価するのが大事だ」と話した。
会見後、吉田英男市長も神奈川新聞社の取材に対し「将来のために若手が頑張ってくれる意志を感じたので応援したい」と話した。
一方、木村氏は、すでに石川氏の出馬が取り沙汰されていた7日夜、市内で開いた自身の県政報告会で3期12年の実績を強調し「新人が出るより中堅が出てこの町の課題を県に伝えるほうが絶対にいい。今回の選挙で私を選ぶことは町にとって決して間違った選択ではない」とけん制した。
みうら市政会は、自民党を支持するか、同党の党籍を持つ議員が大半を占める保守系会派。石川氏は2013年6月の市議補選で市政会など保守系の支援を受けて初当選した。
今回の県議選について、会派として立候補は容認するものの、支持や選挙応援に関しては個別の判断となる情勢だ。同会派では現段階で、岩野議長が一議員として石川氏を応援するほか、市議1人も全面的に支持する見通し。
一方で、木村氏が「事実上の総決起集会」とした報告会には、昨年は同会派のほとんどが参加していたが、今回は同会派から出席したのは岩野議長と会派代表の中谷博厚氏のみ。報告会、会見ともに出席を見送った同会派の市議は「支持者の中でも県議選の支持が割れている」と内情を打ち明ける。
報告会では、市政会とは別会派の保守系市議が木村氏を支持する考えを表明するなど、保守分裂の様相が強まっている。
【神奈川新聞】