
横須賀市とメルキュールホテル横須賀(同市本町)は27日、災害時に帰宅困難者が発生した際に同ホテルが一時滞在施設として活用される防災協定を結んだ。市が同様の協定を結んだのは4カ所目で、宿泊施設とは初めて。
協定は地震など大規模災害だけでなく、降雪など比較的規模の小さい災害時にも対応するのが特徴。昨年2月に2度にわたる大雪が降った際、市内までは電車で帰ってこられたが、谷戸地区の急な坂を上れなかったり、夜遅くまで駅周辺で孤立したりする人が出たという。京急線汐入駅前にある同ホテルはロビーを開放、寝具の貸し出しを行い、温かい飲み物を詰めかけた帰宅困難者に振る舞った。
さらに、同ホテルは災害の規模に応じ、ロビー・ラウンジの開放をはじめ、宴会場、客室を順次、帰宅困難者に提供する考えだ。
同ホテルの三田村成之総支配人は「横須賀のランドマークホテルになりたいという希望もあり、地元地域のために役に立てたら幸せ」と話した。災害用トイレや非常食の提供などでサポートする吉田雄人市長は「駅周辺で滞留する帰宅困難者を引き受けてもらえるような体制整備に協力したい」と感謝していた。
【神奈川新聞】