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私が投票する理由〈5〉問われる人権意識 精神科医・香山リカさん

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年12月12日(金) 12:10

香山リカさん
香山リカさん

特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認と安倍晋三政権はこの2年で戦後の日本が積み上げてきた国のあり方を変容させた。その一つが人権を軽視する雰囲気をつくり上げたことだ。

在日コリアンの差別をあおり、排斥を唱えるヘイトスピーチが蔓延(まんえん)するようになったのは、その一例だ。韓国や中国を敵視し、おとしめる「ヘイト本」も続々と出版されている。

具体的な政策によるものではなく、安倍首相自らがつくりだしている空気によるものだと思う。

書き込んでいるのは本人か秘書かは分からないが、自分に批判的な人や新聞をフェイスブックなどで批判してきた。

一国の首相の言動としてどうなのか、と疑問が湧く。他者の考えに耳を傾け、多様性を排除せず、自分と異なる意見も組み入れていく社会が理想なのであって、政治リーダーは、それを目指すべきだと思う。

ところが自ら寛容さを欠いているから、意見の異なる人を攻撃しても構わないという雰囲気に社会全体がなっている。敵をつくり、攻撃することで社会の不安から目をそらさせる意図が為政者としてあるのだろう。強い言葉で強い態度を示せば喝采を受け、フェイスブックの「いいね」で持ち上げられるということを学習した結果でもあるのだろう。

この選挙は安倍政権を「イエス」とするか「ノー」とするかが問われている。つまり、あなたは人権が軽んじられるいまの世の中の動きは支持できますか、という選挙。

投票に行かない人が多くても、誕生した新政権は「国民の熱い支援をいただいた」と主張するだろう。低い投票率も得票数も票差もほおかむりし、国民全体から白紙委任されたことにしてしまう。選挙が終わってから支持したわけではない、と言っても遅い。

積極的に投票したいと思える人がいない場合もあるだろう。真面目な人ほど、悩んで棄権することもあるのではないか。そうではなく「この人が嫌だから、違う人に入れる」という思いで投票してもいいのではないか。棄権は結果的に政権を支持しているとカウントされる。どんな形でも、投票によって意思表示することが大事だ。

かやま・りか 60年北海道生まれ。東京医科大卒。立教大現代心理学部映像身体学科教授。専門は精神病理学。

【神奈川新聞】

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