
20年ぶりの選挙戦となった大井町長選は、現職の間宮恒行氏(66)が、新人で元町議の牧野一仁氏(69)を僅差で破り、県内現職首長では最多となる5選を果たした。投開票から一夜明けた8日、当選証書を受け取った間宮氏に、5期目の町政のかじ取りについて聞いた。
-無投票が続き、町長として初めての選挙戦を制した感想は。
「大変厳しかったが、選挙戦は町民にとってもプラスだったと思う。初心に立ち返り、町民とともに全力で公約を実現していきたい」
-投票者の約半数が変化を望んだが、総決算とも目される5期目に向けて選挙結果をどう町政に生かすか。
「子育て支援や教育・福祉の充実などくむべきところはくみ、将来の世代の負担も考え、町民が自信と誇りを持って暮らせるように、町の安定と継続、発展のために尽くしたい」
-過疎地対策と広域行政推進を掲げたが。
「町道4号線の県道移管をてこに相和地区の活性化を図りたい。小さな自治体のスリム化には限界があり、合併も視野に広域連携の強化を進め、人口減少対策や住民サービスの質的向上を目指してまいりたい」
◇牧野氏「町民の勝利」
7日午後10時半、最終の開票結果が伝えられた牧野一仁氏(69)の選挙事務所にどよめきが起きた。僅差での落選。支援者からは「190票差か…」「悔しい」と声が漏れた。
報告のあいさつに立った牧野氏は「私は負けたが、選挙がなければ(間宮氏が)数々の政策を打ち出すこともなかっただろう。その意味では町民の勝利といえる」と、無投票が4回続いた後の町長選に挑戦した意義を話した。一方で「古い体質の人も多く、新人に厳しい町だと感じた」と悔しさをにじませた。
5期目を務める間宮氏に対しては「今回言った政策は全部確実に実行してほしい」と注文を付けた。
【神奈川新聞】
