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14神奈川衆院選:戦いの構図(上)1~9区

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年11月30日(日) 12:11

突然の衆院解散で12月2日公示、14日投開票が決まった総選挙。県内18選挙区の立候補予定者の顔ぶれや主張を2回に分けて紹介する。

◆1区 民主空白 野党絞られ 自民の前職・松本に、維新の新人・篠原と共産の新人・明石が挑む。ほかの野党も公認候補予定者を擁立したが、次世代の新人は別の選挙区へ転出、生活の元職は出馬を取りやめた。民主が1区に公認候補を立てないのは、小選挙区制度が始まって以来初めて。

6選を目指す松本は党の国対副委員長や政調会長代理を歴任。今衆院選の公約作成にも携わった。得意の社会保障分野で、「医療・年金制度の安定には地域の景気回復が不可欠」とアベノミクス推進の必要性を強調する。

篠原は2011年の横浜市議選(金沢区選出)に、みんなの党から出馬して初当選、昨年12月に離党した。衆院解散当日に公認が決定。地域主権の進展などを主要政策に掲げる。

前回に続く挑戦の明石は「アベノミクスは格差拡大をもたらした」と、消費税増税反対などを訴える。

◆2区 7選狙う菅官房長官 官房長官で前職の自民・菅が7期目を狙う。前回まで2度連続で戦った民主・元職が6区に回り、共産・三輪、生活・岡本の新人2人との三つどもえの争いが予想される。

市議時代からの強固な地盤を持ち、党県連会長なども務めた菅。首相の“女房役”としての知名度を生かし、アベノミクスの成果と経済再生を訴える。

元県議(港南区)の三輪は、若い世代の生活安定や子育て支援策の充実などを呼び掛け、浸透を図る。岡本は前回出馬した東京7区(中野、渋谷区)から「国替え」して挑む。

◆3区 小此木に元職ら絡む 7期目を目指す自民前職・小此木に、民主元職・勝又、ともに新人の次世代・横田、共産・木佐木が挑む。6政党の候補が出馬して激戦となった前回とは異なり、第三極の擁立が絞られて乱立構図ではなくなった。顔ぶれも小此木、勝又以外は一新された。

党県連会長の小此木は、政権の経済政策「アベノミクス」の継続を訴え、祖父、父3代にわたる地盤の引き締めを図る。

勝又はアベノミクスを「金融緩和と公共事業に頼り過ぎている」と批判。2年間、地元での活動を蓄積し、雪辱を期す。

横田は当初1区から出馬予定だったが、衆院解散後に3区に国替えした。「自民では岩盤規制の改革はできない」と訴える。

木佐木は30歳の若さを生かし、若者の雇用問題を訴えの中心に据える。改憲勢力とも一線を画し、若者らへの浸透を狙う。

◆4区 無所属浅尾に3氏挑戦 前回と同じ4氏が出馬予定だが、所属政党などの構図は大きく変わった。

4月からみんな代表を務めた前職・浅尾は、28日の解党を経て無所属に。「比例復活のない背水の陣」(陣営)で臨む。党在籍時から掲げる行政改革や経済政策を訴え、1998年の参院初当選以来築いてきた知名度の高さで3期目を目指す。

前回、京都から国替えし比例復活した自民の前職・山本は、文科・復興政務官などの職責をアピール。公示前から官房長官らが来援し、郵政選挙以来となる選挙区奪還を掲げる。

前回は民主で戦った荻原は、党の公認内定が下りず8月に離党。無所属での出馬を予定する。政権や民主への批判を強め、「反既成政党」の受け皿を狙う。

共産の新人・加藤は、政権の消費増税や集団的自衛権、原発再稼働にノーを突き付ける。高齢者福祉施策などにも力を入れる。

◆5区 自民前職に4氏挑む 自民前職の坂井に、維新の水戸、次世代の河野、共産の横山、無所属の後藤田の4新人が挑む。

3選を目指す坂井は国交、復興政務官を経験。公務の合間を縫って、地元で街頭演説などを地道に続けてきた。与党で政務官などを務めた実績をアピールするとともに、財政健全化と経済成長を図るアベノミクスの継続を訴える。

県議、参院議員を務めた水戸は地元の泉区では知名度はあるが、戸塚、瀬谷区での浸透が課題。春から月70回ほど街頭に立ち、自転車で選挙区内を回って露出度を高めている。

次世代の河野は国民目線で実感できる景気回復、再生可能エネルギー普及による雇用創出を訴える。

2度目の挑戦となる共産新人の横山は消費税率引き上げの中止や集団的自衛権の行使容認反対を訴え、街頭を中心とした選挙活動に力を注ぐ。

民主は野党間の選挙区調整で公認候補を擁立しない方針だった。しかし、もともと民主の組織基盤が強い地域で、地元議員らから主戦論が強まり、引退した元法相の田中慶秋の後継として、長女の後藤田が無所属で手を挙げた。出遅れを挽回できるかが鍵となる。

◆6区 公・維前職軸に混戦 公明前職の上田が7期目を狙う。前回比例復活した、みんなから維新に移った青柳が雪辱を期す。民主元職の三村、共産新人・北谷が挑む。民主、第三極、公明、共産で争う構図は前回と同じで混戦は必至だ。

前回5度目の民公対決を制した上田は自民の推薦を受け、「自公統一候補」としてアベノミクスの成果を強調。道半ばである日本経済の再生や軽減税率導入を訴え、支持拡大を図る。

前回の民公対決に新たな選択肢として参戦した青柳。今回も「改革勢力」として再増税前に議員定数削減など身を切る改革を実行すべきと訴え、無党派層の受け皿を目指す。

急きょ2区から国替えしてきた三村は知名度アップが課題だが、もともと保土ケ谷区が地元。「格差のない経済政策」を訴える。

北谷は「消費増税中止」や「憲法9条の維持」を政策の柱に掲げる。

◆7区 主要政党そろい踏み 自民・鈴木と次世代・松田の前職2氏に、民主・中谷、維新・豊田、共産・大山の3新人が挑む激戦区。主要政党がそろい踏みし、無党派層の動向が勝敗を分けるポイントになりそう。

3期目を狙う鈴木は「古い政治の復活は断じてさせない」と掲げ、規制改革による経済成長や消費増税の必要性などを訴える。地方議員による地盤固めや街頭活動で支持拡大を狙う。

前回は比例単独候補で議席を得た松田は、小中学校時代を過ごした港北区を拠点に活動。元財務官僚の経験を踏まえ、財政規律の強化や社会保障改革の必要性、景気浮揚策を掲げる。

県議の中谷は9月に党公認候補としての擁立が内定。成長産業の育成支援や付加価値の高い産業の創出を訴え、浸透を図る。

元横浜市議の豊田は衆院解散の21日に公認決定。市会では、徹底的な行政改革や経済を支える中間層の強化などを訴えてきた。

大山は消費税増税中止や集団的自衛権の行使容認反対など平和問題を訴え、幅広い層からの支持を目指す。

◆8区 維新江田に挑む自共 大阪市長の橋下徹とともに党代表を務める前職・江田に、自民の前職・福田、共産の新人・若林が挑む。都内に通勤する「神奈川都民」が多い選挙区で、いかに無党派の風をつかむかが鍵を握る。

江田は全国遊説などで選挙区を空けることも多いが、抜群の知名度で無党派層への浸透を図る。政権交代可能な一大勢力の確立と官僚支配の打破を訴え、5期目の当選を目指す。

前回比例復活した福田は、党水素エネルギー政策の実務責任者として自然エネ普及やIT政策をアピール。街頭活動やネット活用で支持を広げ、悲願の小選挙区勝利での3選を狙う。

20代で国政に初挑戦する若林は福祉充実を訴え、基礎票の上積みを目指す。

◆9区 民・自・維前職3氏激戦 民主・笠、自民・中山、維新・椎名の前職3人に、共産の新人・堀口が絡む県内屈指の激戦区。前回と同じ顔ぶれで、小選挙区での議席獲得に向けた三つどもえの戦いが再現されそう。

前回、県内の民主候補で唯一小選挙区で当選した笠は、地元で高い知名度を誇る。元文科副大臣の実績を生かして教育・子育て充実を訴え、5期目を目指す。

比例復活で初当選した中山は、衆院内閣委員会で政権の重要政策に関わった経験をアピール。アベノミクスの是非や財政健全化策などを掲げ、ミニ集会を中心に支持基盤の拡充を図る。

みんなを離れ、維新に加わった椎名。朝夕の駅頭を中心に原発だけに頼らないエネルギー政策と行政改革の必要性を主張し、再選を期す。

堀口は「安倍政権の暴走を止められるのは共産だけ」と強調、消費増税中止などを訴える。

県内小選挙区立候補予定者

(敬称略、並び順は衆院勢力順)

◇1区(横浜市中・磯子・金沢区) =12自09民

松本  純64 元官房副長官 自麻前(5)

篠原  豪39 元横浜市議  維 新

明石 行夫55 元団体役員  共 新

◇2区(横浜市西・南・港南区) =12自09自

菅  義偉65 官房長官   自 前(6)

三輪智恵美60 元県議    共 新

岡本 幸三54 元信託銀行員 生 新

◇3区(横浜市鶴見・神奈川区) =12自09民

小此木八郎49 元経産副大臣 自 前(6)

勝又恒一郎51 元県議    民 元(1)

横田 光弘57 元県議    次 新

木佐木忠晶30 党地区常任委 共 新

◇4区(横浜市栄区、鎌倉・逗子市、三浦郡) =12み09民

山本 朋広39 文科政務官  自 前(2)

加藤 勝広70 党地区委員  共 新

浅尾慶一郎50 元みんな代表 無 前(2)

荻原 隆宏44 元横浜市議  無 新

◇5区(横浜市戸塚・瀬谷・泉区) =12自09民

坂井  学49 元国交政務官 自 前(2)

水戸 将史52 元参院議員  維 新

河野 敏久58 学習塾代表  次 新

横山 征吾43 党県委員   共 新

後藤田弥生48 会社員    無 新

◇6区(横浜市保土ケ谷・旭区) =12公09民

三村 和也39 元経産省職員 民 元(1)

青柳陽一郎45 党県代表   維 前(1)

上田  勇56 党県本部代表 公 前(6)

北谷 真利52 元会社員   共 新

◇7区(横浜市港北・都筑区) =12自09民

鈴木 馨祐37 党国対副委長 自麻前(2)

中谷 一馬31 県議     民 新

豊田 有希39 元横浜市議  維 新

松田  学57 党県連会長  次 前(1)

大山奈々子51 党県委員   共 新

◇8区(横浜市緑・青葉区) =12み09み

福田 峰之50 元法務委理事 自 前(2)

江田 憲司58 党代表    維 前(4)

若林 靖久29 党地区常任委 共 新

◇9区(川崎市多摩・麻生区) =12民09民

中山 展宏46 元衆院内閣委 自 前(1)

笠  浩史49 元文科副大臣 民 前(4)

椎名  毅39 弁護士    維 前(1)

堀口  望38 党県委員   共 新

【名簿の見方】 予定者は29日現在の神奈川新聞社調べ。

選挙区名の右は前回(12年)、前々回(09年)の当選者の政党。立候補予定者は氏名に続き、29日現在の満年齢、代表的な肩書、所属政党、自民党の予定者には派閥名、前職・元職・新人の別-の順。丸数字は当選回数。

党派の略は、自=自民党、民=民主党、維=維新の党、公=公明党、次=次世代の党、共=共産党、生=生活の党、無=無所属。自民党派閥の略称は、麻=麻生派。空白は無派閥または所属未定。

【神奈川新聞】

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