
みんなの党(衆院8人、参院12人)は19日午後、両院議員総会を国会内で開き、解党を賛成多数で決定した。28日付で解党する。浅尾慶一郎代表と渡辺喜美前代表の路線対立が激化し、結束が困難になった。衆院解散・総選挙に向け、浅尾氏らは民主党などへの合流を含め、野党連携を目指す。一部は新党結成を模索するほか、無所属で活動するとみられる。
「総選挙目前に、党政策を訴える器がなくなったのは大変残念だ」-。みんなの党の浅尾慶一郎代表(衆院4区)は19日、解党決定に無念さをにじませた。
原因を「政策実現の手法に違いがあった」と説明。渡辺喜美前代表を念頭に、「与党を補完する考えの人が同じ党にいたのでは政策の実現につながらない」と続けた。
自民でも民主でもない改革勢力を糾合する「触媒政党」の役割が立党の原点だったが、「果たせなかった。もう一度挑戦していきたい」。「小が大をのみ込む政界再編を実現したかったが、試みの途中で党がなくなってしまった」とも述べ、目を閉じた。
4月の代表就任以降、党組織の強化や2050年を見据えた政策づくりなどを進めたが、「党に押し寄せる大波を乗り越える固まりをつくれなかった。私自身の力量不足がある」。こみ上げるものを押さえながら、そう絞り出した。
◆地方議員に対し早いうちに説明 中西政調会長
みんなの党が解党を決めた両院議員総会後、県総支部代表を務める中西健治政調会長(参院神奈川選挙区)は、「県内の地方議員に対して、浅尾代表とともに説明する場を早いうちにつくる」と説明した。
解党に至った経緯については「(浅尾代表と渡辺喜美前代表が)抜き差しならない関係になっていた」。自身の今後は「当面、冷却期間を置いて考える」と話した。
松沢成文氏(同)は「解党は極めて残念」とし、第三極の再建へ新党結成を目指す考えをあらためて表明。総選挙に向けて「難しい課題もあるが、早急につくれるよう挑戦したい」と話した。
井上義行氏(参院比例)も「みんなの党(の政策)を引き継いでいく同志と行動したい。政策を進められる人物とともに歩きたいと思う」と述べた。
【神奈川新聞】