
旧大磯町と旧国府町の合併60周年を記念したシンポジウムが2日、聖ステパノ学園内「海の見えるホール」(大磯町大磯)で開かれた。住民ら約130人が参加し、地域の歩みを振り返るとともに、人口減少や少子・高齢社会を見据えた町の将来像について考えた。
テーマは「将来に向けて今、何をすべきか」。都市プランナーの野口和雄さんがコーディネーターを務め、いずれも大磯在住でガラス作家の玉造絢子さん、日本大学在学の荻原謙太郎さん、県立大磯高校に通う舘野菜々子さんがパネリストとして登壇した。
野口さんは、日本が向き合っている人口減少の問題などについて説明した上で、「これからは地域社会で1人暮らしの高齢者、子どもたちをどう見守るかが課題」などと問題提起。パネリストは自然豊かな地域の魅力に課題解決の鍵を見いだそうと、それぞれ意見を交わした。
玉造さんは「自然だとか本物の良さを求める人たちが増えれば、(人口減の予測が)変わると思う」と快適な住環境をPRして人を呼び込む取り組みに期待。
体育を学ぶ荻原さんは「要介護になる人を減らすことが重要」と指摘し、「浜でウオーキングができる」と、自然を生かして健康寿命を延ばす方法を提案した。
舘野さんも「山も海も、きれいなところがたくさんある。若い世代を増やすために大磯を知ってもらわないといけない」とし、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を活用するなど若者向けに積極的な情報発信が必要と強調した。
【神奈川新聞】