川崎市の福田紀彦市長は3日の市議会決算審査特別委員会で、住民参加型市場公募債(ミニ公募債)を年内にも発行する考えを明らかにした。自民党の石田康博氏(宮前区)の総括質疑に「市制90周年の節目を記念して発行の準備を進めている」と答えた。発行されれば2007年度以来となる。
ミニ公募債は、自治体の資金調達を目的に在住・在勤の住民などを対象に発行する地方債で、国債に比べ利率が高い場合が多い。川崎市では03~07年度に発行。07年度の「川崎市民安全安心債」は、市民が安全に地域生活を送れることを目的に20億円分発行し、防災施設の整備や公共施設の耐震化などの財源に充てられた。抽選でミューザ川崎シンフォニーホールのコンサートに招待される特典が付いた。
福田市長は「ミニ公募債により、以前に比べ市債が身近になった。ふさわしい機会があれば、市民の市政への参加意識を高める目的で発行するのも手法の一つ」などと、今回の発行理由を説明。今後の発行については、「今回のミニ公募債の販売状況を精査した上、地方債市場を取り巻く環境、本市の資金調達の状況などを勘案しながら発行したい」と述べた。
【神奈川新聞】