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【社説】地方創生 経済のあり方を見直せ

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年9月27日(土) 10:39

いかに地方に生きがいのある仕事を見いだし、子どもを安心して育てられる魅力的な生活文化をつくり出せるか。日本を維持するための最優先課題の一つとなった。

人口減少を食い止め地域に活力を呼び込むための政府の司令塔「まち・ひと・しごと創生本部」が政策の具体化に乗り出した。

大都市や大企業に偏っていた景気回復の恩恵を「お裾分けする」程度の施策では効果は望めまい。独自の産業や自然、伝統文化といった地域資源を掘り起こす作業には、自治体や住民の知恵が不可欠だ。

創生本部の初会合で安倍晋三首相は、「ばらまき型」や中央省庁の縦割りを打破すると明言した。国と地域が新たな関係を結ぶためには通らなければならない道でもあり、歓迎したい。

だが既得権益にこだわる省庁の壁は、容易に崩せないだろう。それどころか、予算獲得の名目に「地方再生」を利用する動きさえ出てくるかもしれない。石破茂地方創生担当相には霞が関の意識改革にまで踏み込み、取り組んでもらいたい。

人口流出に歯止めがかからなければ、2040年には896の自治体で20~39歳の女性が10年の半分以下となるとも言われる。全国知事会議では「死に至る病」とまで切迫した言葉が飛び出し、危機感があらわとなった。人口過密が進むと大都市も機能不全に陥る。日本が破綻しかねない緊急事態である現状を国民皆が認識すれば、利権を離れた新しい視点の施策を打ち出すことができる。

数は少ないが、地方に移り住み農業やサービス業に就く若者も現れ始めた。自然の中での子育てを望み、都会を離れる夫婦もいる。潜在力や魅力を持つ地域は少なくないという証しだ。多様な雇用を確保し、生活面でも大都市と同じようなサービス産業が定着すれば若年層を呼び込むことは十分可能だ。

高い賃金や先端の流行、娯楽が必ずしも豊かさの指標とはならない。地方創生の試みは経済のあり方を見直す作業でもある。

自然の恵みを生かし、安全で高品質な食を生み出す地域は数多い。大規模な電力を必要としない生活は再生可能エネルギーを模索する場ともなり得る。高度成長期の価値観を改め、新たな生活の質を追求することこそが日本再生の道にもつながるのではないか。

【神奈川新聞】

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