日本維新の会(代表・橋下徹大阪市長)と、結いの党(代表・江田憲司衆院議員)が合流した新党「維新の党」が21日、都内で結党大会を開き、旗揚げした。所属国会議員は衆参計53人で、民主党に次ぐ野党第2党となった。自民党1強に対抗する政権担当可能な改革勢力の結集に向け、今後、民主党やみんなの党の一部を巻き込んだ野党再編の結実を目指す。
橋下、江田両氏が共同代表に就任し、幹事長には橋下氏側近の松井一郎大阪府知事を起用。代表代行に松野頼久、総務会長に片山虎之助、政調会長に柿沢未途の各氏が就いた。綱領では「自治・分権」「自立」「民権」を基本理念に位置付け、保守やリベラルを超えた改革勢力の結集をうたった。
憲法改正による統治機構改革▽規制改革の断行を柱とする成長戦略、小さな行政機構の実現▽市場メカニズムを通じた原発フェードアウト-など7項目の基本政策を発表。国会議員に月額100万円支給されている「文書通信交通滞在費」の使途公開に率先して取り組み、29日召集の臨時国会で公開に向けた法改正を他党に呼び掛ける方針も示した。
結党大会で橋下氏は「安倍政権は順調だが、緊張感を持ってもらうため、きちんとした野党をつくっていくのが仕事だ」と強調。江田氏は「民主党、みんなの党、その他どこの政党とも、政策の一致を前提に改革勢力を結集しなくては、したたかな安倍政権に対抗できない」と訴えた。
22日に新党結成を総務相に届け出る。手続き上、結いの党が解散して、日本維新の会に合流し、党名を変更する形を取る。
◇県内3氏、歩みに自信
野党再編を掲げ、21日に旗揚げした「維新の党」には県内から、共同代表に就任した江田憲司氏(衆院8区)をはじめ、青柳陽一郎氏(比例南関東)、椎名毅氏(同)の国会議員3人が参加した。3人とも結いの党からの合流。これまでの歩みに自信を深めるとともに、さらなる同志の糾合に向け、決意を新たにした。 結いの党は昨年12月、「政界再編のための触媒政党」として、みんなの党を離党した江田氏ら15人で結党。日本維新の会との合流協議を積極的に進める一方、当初は比例選出議員の会派離脱がみんなの党から認められず、今年3月には同志の藤巻幸夫氏が志半ばで病に倒れるなど、苦難の道を歩んだ。
「いろんなことがあったが、多くの山を乗り越え結党の目的を果たすことができた」-。維新の党結党に先立って開かれた結いの党の臨時党大会。解党を決めたこの場で、江田氏は感慨深げにこの9カ月余りを振り返った。「再編が起こらなかったら国会議員を辞すると宣言したが、これで首の皮一枚つながった。しかし、これで終わりではない。さらなる再編を目指して船出する」と、今後を見据えた。
青柳氏は「自民党の対抗勢力はなく、暴走はすでに始まっている。歯止めをかける改革勢力がないのは国民にとって不幸」と指摘。「維新の党で再編の第2幕を開ける」と意気込んだ。椎名氏も「山あり谷ありだったが、いろんな経験をさせてもらった。これがゴールではない。藤巻さんの思いを受け継ぎ、新党で頑張りたい」と話した。
【神奈川新聞】