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【社説】女性蔑視の発言 同調者も差別の反省を

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年7月14日(月) 12:00

東京都議会、国会で露見した女性への暴言。「やじ」という軽い言葉では問題の深刻さを矮小(わいしょう)化しかねない。相次いだのは人権意識を欠いた差別的な女性蔑視の発言である。

暴言を吐いた議員は、不特定多数の中なら個人を特定されず、多数を占める会派なら、力を頼んで批判の声も出ないと踏んだのではないか。隠れみのにこもり、じっとやり過ごす。おごりとともにある、そんな卑劣な心根を嫌悪する。

女性議員に向かい、その言葉を無化する暴言を浴びせる。言葉で人を説得する政治家が、口汚い暴言で自らをおとしめていることに気付かないのだろうか。

都議会で、妊娠や出産に悩む女性への支援策をただした塩村文夏都議(みんなの党)に対し「早く結婚した方がいい」との心ない言葉が投げられた。自民党の鈴木章浩都議が発した。

また、衆院総務委員会で国の人口減少対策に関する質問をしていた日本維新の会の上西小百合議員に対し、大西英男議員(自民党)が浴びせたのが「早く結婚して子どもを産まないとだめだ」という暴言だ。

共通するのは、真(しん)摯(し)に発せられた質問を公の場で辱め、言葉を空洞化させる、陰湿な悪意と恥知らずな女性蔑視の意識である。

安倍晋三政権は「女性が活躍する社会」を成長戦略の柱の一つに据える。先ごろも中央省庁で新たに4人の女性を局長に起用した。女性の社会進出は大いに進めてほしいが、足元の自民党議員たちの人権意識がこの体たらくでは心もとない。

2003年には自民党の太田誠一衆院議員(当時)が大学のサークルメンバーによる集団レイプ事件について、「元気があるからいい」と発言し、07年には柳沢伯夫厚生労働相(同)が「女性は産む機械」と述べて批判を浴びた。両者とも少子化問題に絡んでの発言だった。

こうした例を見ると、「女性が輝く未来」という政権の掲げる政策も本音は別で、人口減少社会で女性を使いやすい労働力とみているだけなのではないか、と勘ぐりたくなる。

人権意識の欠如は暴言議員だけにあるのではない。薄ら寒いのは、議場で発言を笑いとともに受け流し、女性差別に同調した周囲の空気である。それが、私たちの社会が無意識に醸成している空気と深い所でつながっていることを自覚したい。

【神奈川新聞】

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