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集団的自衛権行使容認受け 歴史に誤り刻む 政党政治から逸脱/藤井元財務相

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年7月2日(水) 13:09

藤井元財務相
藤井元財務相

「日本の歴史に間違いとして残る」-。政府が集団的自衛権の行使を認める憲法解釈変更を閣議決定したことに対し、民主党顧問の藤井裕久元財務相が1日、神奈川新聞社の取材に応じ、「政党政治からの逸脱だ」と批判した。戦後日本の安全保障政策をめぐる数々の局面に向き合ってきた重鎮は、憲法解釈変更が徴兵制につながる危険性にも言及し、安倍政権の姿勢に警鐘を鳴らす。

-安全保障をめぐる戦後政治の議論をどう振り返るか。

「岸信介首相は日米安保条約の改定で(旧社会党委員長の)石橋政嗣氏などから問い詰められた際『憲法9条があるから海外には行かない』と言った。佐藤栄作首相も、1970年の安保条約自動延長の前に非核三原則を表明した。鈴木善幸内閣の伊東正義外相も、シーレーン1千カイリ防衛構想を『日本を守るため』と明確にしていた。これまでの憲法解釈は内閣法制局長官ではなく、戦後の政治家が信念を持って決めてきたものだ。安倍首相は全く次元の違うことをしている」

-92年にPKO協力法が成立し、自衛隊が役割を拡大させてきた。

「小渕恵三内閣時に成立した周辺事態法には、集団的自衛権の行使になってはいけないとの考えで臨んだ。『そのまま放置すれば、日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態』という修正を加えるなど、立法府がきちんと関与してきた」

「集団安全保障は憲法改正によって実現すべきだ。安倍政権は憲法解釈変更の閣議決定後に国会で法律を審議するというが、行政府が政党に先行して決めるのでは政党政治からの逸脱だ。日本の歴史に間違いとして残るだろう」

-憲法解釈の変更で「徴兵制の実現もあり得る」と指摘している。

「一般の自衛隊員は、戦争に行って死ぬことになるとは思っていない。除隊者が続いて定数を満たせなくなれば徴兵制の環境が整うことになる。政府は徴兵制を憲法18条(苦役・奴隷的拘束の禁止)に反するとの見解を出しているが、9条の解釈が変えられるのなら18条も変えられる」

-安全保障上の課題にどう対応すべきか。

「第1次世界大戦では、関係国の2国間関係が網の目のように錯綜(さくそう)し、この反省からウィルソン米大統領が国際連盟を提唱した。国際問題の理想は国連、その次に多国間での対応だ。歴史をみれば2国間での対応は必ず限界に突き当たっている。現在の中国の台頭は重要課題だが、多国間で対応できる」

ふじい・ひろひさ 1955年、旧大蔵省入省。佐藤栄作内閣、田中角栄内閣で官房長官秘書官。77年、自民党から参院選初当選。90年、衆院選当選。自民党を離党後、旧新生党結成に参加し、細川内閣と羽田内閣で蔵相。旧新進党、旧自由党を経て民主党に参加、2009年財務相。12年政界引退。東大卒。82歳。

【神奈川新聞】

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