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【社説】集団安全保障 解釈変更やはり無理だ

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年6月23日(月) 09:38

憲法による歯止めが外れるとは、つまりこういうことであると、自らその危うさを告白しているようなものではないか。

自民党は安全保障法制に関する与党協議で、国連の集団安全保障に基づく武力行使に自衛隊が参加できるよう検討すべきだと提起した。

念頭にあるのが機雷掃海活動への参加だ。国際法上、国際紛争停戦前の機雷掃海は「武力行使」と認定される。政府は従来、憲法9条が「国際紛争解決のための武力行使」を禁じていることから、武力行使を伴う集団安全保障措置には参加できないとの解釈を示してきた。

問題は、その解釈を変更することにより参加へ道を開こうとしている点だ。集団的自衛権の行使容認と同様、戦後の安全保障政策を大転換させるものであり、憲法改正の手続きに問わねばならない。

実際、安倍晋三首相自ら、私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告書が、集団安全保障について「憲法上の制約はない」としたことに対し、「これまでの憲法解釈と理論的に整合せず、(報告書の)考え方は採用できない」との見解を示していた。解釈を変更するには無理があると認めているに他ならない。それでも変更が成り立つというのなら、やはり立憲主義を否定するものとして批判せざるを得ない。

根拠として、集団的自衛権の行使容認のために練られた自衛権発動の新3要件案を援用している点も問題をはらむ。他国への武力攻撃が発生し、国民の権利が覆される恐れがある場合に自衛権の発動を認めるものだ。これに倣えば国連決議をお墨付きに、自衛隊の活動範囲が際限なく広がっていく恐れがある。

ことほどさように、ひとたび憲法の縛りが外れれば、為政者は恣意(しい)的な振る舞いを始めかねない。

公明党内には集団安全保障への参加に反発が根強いという。そうであるなら、このまま集団的自衛権の行使を認めることにも反対でなければ筋が通らない。歯止めが利かなくなる懸念は、いずれも解釈改憲という手法に端を発するものだからだ。

自公が合意を目指す閣議決定原案では、自衛隊の出動命令には国会の事前承認を求めるとしている。つまり判断は為政者たちに委ねられている。自ら歯止めを外そうという人々の言葉がどうして信じられよう。

【神奈川新聞】

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