探偵や調査会社が関与して全国的に戸籍謄本などが大量に不正取得された二つの事件を受け、横須賀市は本年度中に、第三者が不正に請求した場合に本人に伝える「本人通知制度」を導入する方針を決めた。11日に開かれた市議会本会議で、吉田雄人市長が長谷川昇氏(研政)の一般質問に答えた。
2事件は、都内の司法書士事務所と群馬県の調査会社が関わったもので、2011年から12年にかけて発覚。横須賀市では戸籍謄本が40件、住民票が37件、不正に取得されていた。法律上請求権限を持つ司法書士と行政書士が、探偵から依頼されて取得したものだったという。
市長は県内での本人通知制度導入状況について、「昨年9月の藤沢市をはじめ、相模原、鎌倉、伊勢原、秦野の5市で導入している。導入に向け検討している自治体が2市あると聞いている」と説明。
横須賀市の対応として、「基本的には法整備が必要と考えているが、県内の導入状況や過去の実例を踏まえると、導入に向け具体的な検討を進めなければいけない段階に来ている。本年度中を一つのめどとして考えたい」との方針を明らかにした。
昨年11月の一般質問に続けてこの問題を取り上げた長谷川氏は「(不正な)資料請求への防止策で、市民への安全安心を保障することにもなる。本年度というまでもなく、早々にやってほしい」と要請。市長は「事前通知型にするのか事後通知型にするのかなど、課題の洗い出しもしないといけない。本年度と思い切って答弁したことをよしとしていただきたい」と述べた。
【神奈川新聞】