小田原市は、各自治会が所有している市内全域の防犯灯約1万5千基について、省エネルギー化を民間事業者に委託してコスト削減につなげるESCO(エネルギー・サービス・カンパニー)事業を導入して一斉に発光ダイオード(LED)化を進める。事業導入により自治会の費用負担と手間が軽減されるという。5日に開会した市議会6月定例会に初年度事業費約1870万円を計上した一般会計補正予算案を提出した。
同市地域安全課によると、現在のLED防犯灯の普及率は5%程度。今後は蛍光灯の生産減少が見込まれているほか、電気料金を大幅に削減できるため、LED化を進めていく。
今回導入するESCO事業では、市と契約した事業者が防犯灯の交換工事を行うほか、10年間にわたって保守・点検を実施。市はLED化による電気料金などの削減分で事業者に委託経費を支払う仕組みだ。
防犯灯はこれまで、自治会が設置・管理し、市が整備や維持管理にかかる費用の一部を補助していたが、この事業により今後は市に移管される。
総事業費はLED化などで現行の補助額より約7%減の約3億7300万円(10年間)としているが、事業者の公募などにより、さらに削減が見込める可能性があるという。同課の担当者は「市の支出は現行より増えることはない。自治会は費用負担だけでなく、点検パトロールや交換作業の手間もなくなる。防犯灯もLEDの方が明るいため、防犯上の効果も期待できる」と話している。
市議会で可決されれば、7月にも事業者を公募。サービスや価格を踏まえた提案内容により事業者を選定する。来年1月から約4カ月かけて防犯灯の交換工事を行う計画だ。
【神奈川新聞】