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【社説】知事任期残り1年 ビジョン実現の道筋を

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年4月30日(水) 09:51

黒岩祐治知事の1期目の任期が残り1年を切った。

看板政策はどれも緒に就いたばかりでゴールはまだ先にある。ビジョンの実現に向けた道筋を明示し、着実に歩を進めてほしい。

3年前の知事選を振り返れば、松沢成文前知事の都知事選転出表明に伴う突然の不出馬で、異例の短期戦だった。各政党の要請を受け、黒岩知事が立候補を決めたのは告示日直前。知事に就く十分な準備ができていたとは言い難い面もあった。

「エネルギー革命を起こす」として「4年間で太陽光パネル200万戸設置」と掲げた公約は事実上撤回に追い込まれもした。それでもジャーナリスト時代から取り組む医療分野などで新しい種をまいてきた。新産業創出のためライフイノベーション、ロボットの二つの特区に加え、3月末には安倍政権肝いりの国家戦略特区の指定も勝ち取った。

知事は3年間の県政運営で「ビジョンを示すこととメッセージにこだわってきた」と言う。今は「超高齢社会を乗り越える新しい神奈川モデルをつくる」とし「ヘルスケア・ニューフロンティア」と称する取り組みを盛んに発信している。

最先端の医療・技術と、病気になる前段階の「未病」を治すアプローチを融合し、健康寿命日本一を目指すとともに、新産業も創出する斬新で壮大な構想である。

キャスターを経験した知事がそうした構想を語ると、確かに聞く者に未来像が膨らむ。しかし、冷静に県の施策展開や進捗(しんちょく)の現状を見ると拍子抜けする部分もある。

三つの特区は、大胆な規制緩和がどこまで適用されるか不透明だ。メディカルスクールや未病産業創出などの野心的プロジェクトが県の狙い通り結実するかも心もとない。

「未病を治す」にしても、市町村が取り組んできた健康増進策との違いが見えない。「医療の情報革命を起こす」と意気込むマイカルテ構想は、手始めに着手したお薬手帳の電子化実験で足踏み状態が続く。

息の長い取り組みだけに評価は難しい。だが壮大なビジョンは一足飛びに実現するわけではない。国にどう規制緩和を働きかけ、民間投資を呼び込むのか。道筋が見えないままではメッセージ力にも陰りが出かねない。着眼大局着手小局で、地道に県の施策を一つ一つ積み重ねる姿勢にこそ期待したい。

【神奈川新聞】

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