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【連載】論戦 集団的自衛権:変遷(上)「限定容認」で沈静化

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年4月9日(水) 14:17

自民党の安全保障法制整備推進本部の会合に臨む石破茂幹事長、高村正彦副総裁(中央)ら=7日午後、東京・永田町の党本部
自民党の安全保障法制整備推進本部の会合に臨む石破茂幹事長、高村正彦副総裁(中央)ら=7日午後、東京・永田町の党本部

「政府の考え方も実は一貫しておらず、かなり揺れ動いている」

7日、自民党本部。集団的自衛権の行使容認を議論する安全保障法制整備推進本部の2回目の会合で、石破茂幹事長が、政府の憲法解釈が変遷してきたと解説した。

過去の安全保障論議の経緯を党内に周知する狙いで設置された同本部。開催前には議員のもとに資料が届き、「行き帰りの電車や飛行機の中で読める」(石破氏)と予習を促す。

前回の衆院選や参院選で当選した大量の新人を抱える自民党。田中和徳政調副会長(衆院10区)は「憲法論議に参加してこなかった議員との議論が必要」と、1期生らを巻き込んだ議論の拡大を呼び掛ける。

だが、これまでの会合では、憲法解釈を変更して行使を認める政府方針への明確な異論は出ていない。「みんな大人だから、まずは耳を傾けている」(県内議員)ものの、議論が執行部ペースで進んでいるのは事実だ。

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「間違った憲法解釈は正しい解釈によってのみ改められる」-。山本朋広衆院議員(比例南関東)は地元、鎌倉市などでのチラシ配布を通じ、行使容認には憲法改正ではなく従来の政府解釈の変更が筋と訴えてきた。

とはいえ、もともと自民党は立党精神に「自主憲法制定」をうたっており、容認には憲法改正を目指すべきとの声が根強い。解釈変更は「時間の制約がある」(党幹部)として次善策的に認める流れだが、党の各派閥が開いた勉強会でも慎重な議論を求める声が相次いだ。小此木八郎国対委員長代理(衆院3区)も「乱暴な結果の出し方ではかえって後退する」と、丁寧な議論を求める。

だが、高村正彦副総裁が最高裁の「砂川判決」を論拠に「必要最小限度の自衛の範囲には集団的自衛権に含まれるものもある」と説いた3月31日の会合を機に、限定的な行使容認論を軸に意見が集約される兆しも見え始めてきた。

鈴木馨祐党外交部会長代理(衆院7区)は「日米同盟は今は米国の世論に影響を受けやすい。日本防衛の同盟を危うくする事態への対処は個別的自衛権の延長上にあると思う」。集団的自衛権を認める範囲などでは意見に幅が残るものの、「抑制的な構想」(中堅議員)が出てきたことで、慎重論は表向き沈静化しつつある。

「昔は党内でいろいろな意見が違った角度から述べられていた。今では一つの問題に一つの答えしか聞こえてこない」。4日夜、横須賀市内で講演した河野洋平元衆院議長は、議論の単一化を憂えた。

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野党の一部も、集団的自衛権の行使容認には前向きだ。安倍政権はみんなの党や日本維新の会を「責任野党」と位置付け、連携を探ってきた。

自民党の石破幹事長は7日の会見で、「極めて正確に理解している」とみんなの党の浅尾慶一郎幹事長(衆院4区)を評価、協力の継続に期待感をみせた。

8日に衆院提出された国民投票法改正案をめぐり、与党との協議を担当した松沢成文参院議員(神奈川選挙区)は「国会の意思決定など実務面で憲法改正の実績をつくるべき」。その先に、安全保障分野での改憲論議を見据えた。

だが、4月に党見解をまとめるとの方針を示していた渡辺喜美代表が8億円の借り入れ問題で引責辞任。浅尾氏は同日、「政府の有識者会議の報告が出た際に見解をまとめる」と話した。だが「安全保障で政権をサポートする」(幹部)との声も上がっていた党の発信力は大きくそがれている。

集団的自衛権の行使容認をめぐる議論が各党で本格化してきた。県内選出議員らの見解や動きを通じ、論点を考える。

【神奈川新聞】

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