「改革政党だったはずなのに」「猪瀬直樹前都知事と同じだ」-。計8億円の借入金問題でみんなの党代表を辞任すると表明した渡辺喜美氏と同党に対し、県内の有権者から厳しい視線が向けられた。
浅尾慶一郎幹事長(衆院4区)のお膝元では、市民のため息が漏れた。「改革を掲げる政党として、しがらみのなさやお金にクリーンなイメージがあったのに」。鎌倉市内に住む男性会社員(40)は苦い表情を浮かべ、言葉を継いだ。「辞任が遅すぎた」
同市の主婦(62)は「議員定数削減などはどうなったのか。熊手を買う前にやるべきことがあるだろう」とチクリ。かつて同党に期待し票を投じたこともあったが「せっかく棄権せず投票しても、がっかりさせられてしまう」と政治への不信感を募らせていた。
一方、昨冬みんなの党とたもとを分かった結いの党江田憲司代表(衆院8区)の選挙区からも批判の声が上がった。
横浜市青葉区に住む無職女性(75)は「まるで猪瀬前都知事」とあきれ顔。「皆、結局は自分の選挙にお金を集めることしか考えていないのだろう。辞任は当然」と指摘した。
江田氏を長年支持するという同区の無職男性(69)は懸念を口にした。2012年の衆院選、13年の参院選と自民党が大勝した今、「野党を再編しなければならない時期のはず」。だがどの野党も世論調査の支持率は1桁台。「民主党も存在感がなくなり、このままでは野党の存在感は薄くなるばかりだ」と、現状を憂えた。
【神奈川新聞】