川崎市の福田紀彦市長は12日、増え続ける介護給付費を抑制するため、通所サービス利用者の要介護度の維持・改善を図った事業者に成功報酬を支払う制度を導入する方針を明らかにした。2014年度早々に有識者らでつくるプロジェクトを庁内に設置し、具体的な手法を検討していく。
同日の市議会予算審査特別委員会で、みんなの党・無所属の添田勝氏(宮前区)の質問に答えた。福田市長は選挙戦で同種の制度の導入を公約に掲げていた。
介護保険制度では、利用者の要介護度が重いほど手厚い介護が必要なため、事業者に支払われる介護報酬は高額になる。要介護度が改善すると事業者の収入減につながる構図となり、制度的な課題が指摘されていた。成功報酬はその課題を補うための制度。一定のインセンティブを与えることで、事業者側に要介護度の維持・改善に努めることを促す。質の高いサービスを提供している事業者を適正に評価することにもなり、事業者側の意欲向上につながることも期待されている。
同種の成功報酬制度は東京都品川区が先行して実施。岡山市も導入を目指しており、福田市長は同委員会で「川崎市も挑戦していきたい」と意欲を語った。
市健康福祉局によると、市の介護保険給付費は14年度予算額で約740億円。10年度決算額は約548億円で、35%増加した。介護保険料の基準額は月5014円で、県内の自治体で最も高額。
【神奈川新聞】